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 指導員の現場から 
釣りの極意は
   ”経営の極意“?



忙中閑あり…

 五月の末の某土曜日、県内でたった一ケ所、鮎釣りの解禁されている興津川へ“友つり”に出かけた。中央会にも数名の熱狂的な“鮎・友釣り”ファンが居り、誘ってもらった。
 午前五時前という早朝にも拘わらず、囮やの駐車場には車が一杯。おとりを仕入れ上流へ、既に河原には、竿を出している人達も。
 この興津川の鮎解禁時期ともなると、私どもの日頃お付き合いさせていただく組合では丁度、通常総会(定時総会)の真っ只中。年次の報告や新年度の計画・予算を組合員全員で審議決定する最も重要な時期。来賓として出席要請を頂き、年に数回しかお目にかかれない組合員の方々や「何かあれば中央会が側にいるでな…」との言葉を頂戴する我々にとっては気の抜けないシーズンと重なる時期でもある。
 景気は依然として厳しい状況下に置かれている。新聞報道や経済評論家の話では“景気は底をうった”との報があるものの、そもそも、旧来のような景気の谷(底)と山が交互に……とのパターンを想定することが正しい認識なのかどうか。

長竿、細糸で 幅広く、自然に

 興津川の澄んだ流れに“長竿”を出して、じっと、目印を追っていると、名人といわれる人達の言葉が浮かんでくる。“流れの中で、囮鮎がどんな動きをしているか。動き(さそい)を与えるか。”“自然に泳がせるか“”微妙な動きや変化を、感じとるか”
 友釣りは、鮎の持つ習性、自分の縄張りを持ち、野鮎の侵入を体当たりして防ぐ……こうした本能を利用して、おとり鮎を上手に縄張りに侵入させ、追わせる事。これによって、ハリ掛りさせる釣り。常に元気のいい、新しい鮎を使って、喧嘩を仕掛ける。 ゆえに“循環の釣り”ともいわれる。新しい鮎との交換が釣果に影響する。

“バランス良く”が決め手

 川の状態を見る目、竿の操作、仕掛けのバランス、友鮎の活き、釣人の健康状態、等々全てがバランス良く調和するときは、結果に満足する。
 景気という見えない流れの中、経営資源といわれる人、もの、金、情報をバランスよく調和させ活かしていくか。
 企業経営も大事なのは、大きな世の中の動き・変化の潮流に如何に乗るか、刻一刻と変化するユーザーの意向やお客様のニーズに如何に素早く、他に先んじて対応ができるかが勝負の分かれ目。全てがバランスよく調和され、経営が成立つ。
 企業経営と一面通ずるところがあるかな…(たいへん失礼)。ちなみに私の長女の名は“鮎”。自由に泳ぎ回っています。(北)


中小企業静岡(2002年 6月号 No.583)