特 集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 




 〒431-3901
 磐田郡佐久間町佐久間2235-1
理事長:平賀 丈太郎
組合員:16名
出資金:8,000千円
TEL:0539-65-0325
FAX:0539-65-1447
URL:http://www.shizuoka.com/hokuen/sakuma/loguhouse1.htm


佐久間ログハウス協同組合
間伐材の利用促進で
森を育て、地域を振興





▲最近、住宅として建てられた木の香り、
 ぬくもりが魅力の「佐久間ログハウス」

放置山林が多く森林の危機>

 深い山々に囲まれた佐久間町は、県の西北端、天竜川の中流筋に位置する。天竜の支流・大千瀬川、水窪川の清流を含み、両岸に赤石山系の美しい山並みを抱く「豊かな緑と清流が織りなす林業が主体の町」である。
 現在、日本の人工林の多くが間伐期を迎えているが、木材価格の採算割れで伐採されない放置山林が増加している。杉や檜の針葉樹はまっすぐ育てるために多くの本数の苗木を植え、成長にあわせながら数回にわたって間引き(間伐)をくり返す。
 間伐が行われなければ、杉や檜は材として使用できず、ヤブ化した森林は保水能力が低くなり大水や山崩れの原因にもなる。
 健全で多面的な機能を発揮し得る森林を育成するため、間伐を進めることが緊急の課題とされ、その実施に当たり、間伐材の新分野での利用拡大が一段と必要になっている。
 こうした状況下、佐久間町商工会に所属する建設関連業者十九社によって平成十四年五月、山林の育成保全と地元材の消費拡大を目的に、佐久間産の杉の間伐材を利用した「佐久間ログハウス協同組合」が設立された。



▲「自然そのもの」を
 アピールしたパンフレット

受注の範囲は県下全域

 設立後の受注件数は約二年で二四棟。町内の浦川キャンプ場の五棟を始め、春野町、川根町、沼津市、熱海市および伊豆地区とその範囲は県下全域に及ぶ。 
 ログ材の太さは「丸太組構法の技術基準告示」で、断面積が一○五平方センチ〜一四○○平方センチ、つまり径(直径)が一一六ミリ〜四二○ミリと決められている。
 佐久間ログハウスの場合は、一二○ミリおよび一八○ミリと比較的細い杉材を用い、高い機能性と品質を保ちつつ、低い料金設定を可能としている。
しかし、順調にスタートした設立当初に比べ、最近は受注が伸び悩んでいる。平賀理事長は「組合では、キット販売を中止。工事付きでの受注体制の確立、使用するログ材の太さの検討、メンテナンスを含む価格帯の設定等、中長期的にみた組合事業のあり方を見直し中で、その影響があるかも知れない」と言う。



中小企業静岡(2004年12月号No.613)