特 集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 



くみあい百景




▲「常識にとらわれない
 ログハウスを…」と
 語る平賀理事長

収支を考え事業を見直し

 事業見直しについて理事長は「当初の計画は原材料のキット販売が主体。できる人は自分で組み立ててもらい、付帯工事を共同受注すればと考えていた。
 だが実際は素人がログハウスを組み立てることは不可能。ログ材は生に近い木を加工するので当然収縮する。専門家が組み立てても隙間が生じてくる。
 竣工後、二〜三年間は定期的に通しボルトの締め直しをしなければならないなど、業者としてアフターサービス(メンテナンス)が一○○%必要。
 また材料の間伐材を集めるのが大変。ログハウスは径一八○ミリの佐久間の杉材(丸ログ)で十六段四方組み。径が一八○ミリ強でまっすぐ、長さが最低六m以上、そんな丸太が一棟で七十本ほど必要となる。
 室内も含め一般住宅とは比較にならないほど多くの木材を使う。条件に合う形をした間伐材は量的に集めるのが難しいし、細い物を使用するため利益を出すのに苦労する」とその理由を話す。

新しいログハウスを考える

 今後の方向性について聞くと「径が二四○ミリと、今より太い方が本数を集めやすい。それなら原材料の選択肢を広げてみようということ。
 さらに一般住宅と比較すると使う丸太の量の多さだけでなく基礎費用、室内材料費もかかる。でもきちんと設計され、メンテナンスされれば長持ちし、空調コストの低さを考えればお買い得ということをPRしていく。
もちろん佐久間の杉の良さも。
 そうした上で従来のログハウスの常識にとらわれない工夫や技術を使って、クレーム(一般的に多い)が出ない、少しでも安く提供できる新たな佐久間ログハウスを開発していきたい。
 工場の合理化によるコストダウンと、営業強化のため専従者の若返りも図りたい」と語る。
 組合事業の健全な進展が、間伐促進による森林の育成、地域振興の一助となるだけに、その成果が大いに期待される。




中小企業静岡(2004年12月号No.613)