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くみあい百景




▲組合指定工場で生産された
 手づくりハム、ジャーキー、
 ソーセージ

新ブランド豚をめざす気

 組合設立は今年の二月。業界を取り巻く動向を見ると、食肉卸売業界ではBSE問題や牛肉の産地偽装等があり、消費者の食に対する安全性や出所に関する情報提供の要望が強まる中、組合員が取扱う豚肉が牛肉に替わり大浮上。日本全国でブランド豚づくりが進められている。
 一方、食品メーカーやホテル、百貨店等食品排出事業者は、食品リサイクル法に基づき平成十八年度から食品副産物を循環資源として二十%以上、再生利用するよう義務付けられている。
 また養豚農家も十六年度から強化される排泄物の適正な処理方法の導入や肥育時の臭い低減等の対応に迫られている。
 こうした中、新たな事業展開を模索する食肉卸売五社が、国産無農薬野菜等の食品副産物を原料とするヨーグルト状新飼料を用いた養豚事業を手掛ける
(株)ファームサポートと提携、肥育豚の独占共同購入により富士宮朝霧地域をブランドとする豚肉の共同販売及び加工食品の開発を目的に組合を設立した。

柔らかい、甘い、臭くない

 ヨーグル豚を食べた人の評判は上々。筋繊維がきめ細かで柔らかい、脂身があっさりしていて甘い、臭みがない、低コレステロールで安心、「豚しゃぶ」に最適、冷めても美味しい、等々。
 松野理事長は「設立後、間もないが順当にきていると思う。ファームサポートさんが地元にあり、提携できたことは意義深い。独占購入できたことで品質保持も組合が出来るしね。
 普通、ブランド豚といえば豚の種類をいうが、朝霧ヨーグル豚は富士山の美味しい水と発酵飼料によって育まれた健康・安全・美味しさ。そんな豚のブランド化をめざしています。
 現在、取扱店は組合員を含む東部地区の十九店舗。正規取扱店認定証が掲示されています。着実に力を地元からいただいて大きくなり、地元に還元していければいいですね」と言う。


▲ヨーグル豚の特徴、
 美味しさ、組合事業
 を語る松野理事長


販路を拡大し地域を活性化

 現在は取扱店を絞り、地域の特産品としての確立を図っているが、新規市場の開拓について松野理事長は「既に歳暮は任せるとの声も一部でいただいている。しかし、まだまだ知名度が低いので十月からホームページを開設しネット販売を始めた。
 現在、取扱店は県東部に限られているが中部・西部、それから首都圏へも販路を拡大していきたい。東京の百貨店やスーパーからは飼料の原料となる食品副産物が入っていることもあり、既にアプローチはしている。
 また、この食肉は、どこで、誰に、どんな飼料で育てられ、どのように加工されたものか…食品履歴をデータ化し、安全性や品質を保証するトレーサビリティーシステムの導入も検討していきたい」と話す。
 設立後、日は浅いもののヨーグル豚の品質と美味しさに絶対の自信を持ち、その普及を図り地域の活性化に貢献すべく、積極果敢に事業を推進している。



中小企業静岡(2003年11月号 No.600)