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▲何事にも積極的な西川理事長

厳しい競争の中でも安全第一
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 「最近の厳しい価格競争の中で、適正な価格を無視して受注する業者も見られる。点検業務の質の低下が心配だ。尊い人命と財産を守る消防法の趣旨を広めることが組合の重要な任務」と価格競争に負けない企業力の育成と、管理業務の質の向上がなにより重要と西川理事長が語る。
 こうした組合の姿勢を反映させるため、昨年、組合では要望書を作成し、各方面に配布した。要望書には、消防法遵守の立場から、有資格者による点検・報告業務の必要性の周知徹底。点検業務に当たる有資格者の確認と点検作業への立会いの必要性などについて、関係法令をわかり易く解説し、各方面の理解・協力を求めている。
 さらに、本年三月に組合ホームページを開設。消防施設管理に対する組合の姿勢や、Q&Aのページを設け、地域の安全や産業の育成は、地域で守り育てていくとの姿勢を示している。



▲業界の要として組合事務を取り仕切る岡本専務

エコパの管理業務を受注

 「尊い命を守る施設を管理するためには、施設を熟知する必要がある。低価格入札・丸投げでは、施設の保守管理に傾けるべき力が損なわれてしまう。万一のことを考えると恐ろしい」と高度な機能を備えた施設管理の難さを熟知した西川理事長は、価格面の競争が先行する業界を危惧する。
 組合のメイン事業の共同受注では、ワールドカップ静岡会場として利用された「静岡スタジアム“エコパ”」の消防設備の保守管理業務を受注。自働火災報知器、消火栓、誘導灯、防排煙設備などの消防設備を種類別に組合員が担当、効率的に人材、機材を配置して、大会を無事に終了させた。

官公需適格証明で更なる飛躍

 昨年十一月には、共同受注体制が整備されている組合に対して出される官公需適格組合証明を取得。官公庁に対して積極的な受注活動を展開。今年度、浜松市の幼・小・中学校、百二十一施設の消防・避難用設備保守点検業務を組合で共同受注することになった。
 「組合事業をより発展させるため、積極的に組合員の増加をはかり、安全な街づくりの一翼を担っていきたい」と岡本専務理事が話す。官公需適格組合証明の取得を、組合事業拡大の好機と捉え、組合の体制整備に一層努めていく。
 今後も組合は共同受注を中心に、人命や財産を守るという大きな使命を担い、地域振興のために作られた各施設の機能が、十分に発揮できるよう防災システムの構築に取り組んでいく。


中小企業静岡(2002年 8月号 No.585)