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「経営」




手法1
経営トップが先行せよ

 ユニバーサルデザインの導入は、経営トップが判断する企業経営理念(企業ビジョン)の導入と同意義です。その理念の中に社会性、時代性、製品コンセプトが含まれています。
 この理念を導入することは自社の変革プログラムの導入であり、新規プロジェクトの起業でもあります。トップ自らが企業の先頭に立ち判断を求められることになります。

手法2
現場主義を貫け

▲i-BED
ユニバーサルデザイン選定品
▲i-CHAIR ユニバーサルデザイン
静岡大賞受賞製品
 導入するに当たり、まずぶつかる課題は、「概念の不認識、製品現状の不認識、市場性の有無、そのメリット、コスト、競合先、デザイン基準」等です。このような課題を解決するには既存の創造力、企画力では限界があります。解決のためには、「現場(障害のある方・福祉施設)」を見る事、聞く事です。もう一つの「現場」は、自社内の「人財現場」「製造現場」を再点検する事です。

手法3
現場の声を聴け

 ユニバーサルデザインは実施すること自体が社会性が強いため専門家、福祉現場の職員、社内の職員から生活の「生」(本音)を聞きやすいテーマでもあり、積極的に対象者の声に耳を傾けるべきです。その声の中に必ず発想の原点となる開発要因が有ります。その要因を発見する能力は「聞き耳能力」の向上以外にありません。

手法4
ユニバーサルデザイン進化論

 市場導入に当たり一気にユニバーサル市場に参入する方法もありますが、福祉用具、バリアフリー製品、そしてユニバーサルデザイン製品へ、という段階的な進化で進めて行かれた方が企業内部にユニバーサル手法が蓄積されると考えます。最終的には、ユニバーサル的表示もなく、さり気ないデザインが市場に受け入れられると考えています。

手法5
評価・検証から学べ

 ユニバーサルデザインには現場の評価、工学的な検証が必要です。製品に関するロジカルなコンセプトが市場において必ず問われるからです。そのために日頃から検査機関や行政の研究機関などとの協働(コラボレーション)が必要となります。

手法6
自社製品の再考

 ユニバーサルデザインを導入してくると既存の自社製品の課題が自然に見えてくるものです。現在市場に認知され流通している製品こそ、ユニバーサル理念を付加する事で今まで存在しなかった市場に受け入れられる事になります。まさに新市場の開拓です。

手法7
基準を想定せよ

 ここで言う「基準」とは「誰に」を明確にする事です。自社の製品がどのレベルの生活者に受け入れられるかを具体的に設定する事です。「要介護度二」「脊髄損傷G7」「自走式車椅子利用者」など最終ターゲットを明確にする事により、そのレベルより重度の方以外のユーザーは必ず対象になるはずです。

手法8
自社の目で判断

 ユニバーサルデザインにより製品化された製品は、現在の自社の「目」でチェックするべきです。「この価格で自分は買うか」「このデザインで満足か」等自分を中心とした率直な判断が重要です。自分にとって気に入らない製品は生活者も絶対的に気に入らないもののはずです。ユニバーサルデザインは、生活者のデザインであり、快適生活のデザインです。生活者を愛せなければ、ユニバーサルデザインは存在しないと考えます。


中小企業静岡(2001年 1月号 No.566)