全国のトイレットペーパーの三割以上を生産する全国一の産地・静岡県。その大部分は再生紙一〇〇%の製品である。
しかし、バージンパルプを使用した大手企業の生産シェアが拡大するなど、環境への配慮から再生紙需要の高まりがいわれている中にあっても、経営環境は依然厳しい。
こうした現況下、富士、富士宮市を中心とする中小家庭紙メーカー二八社で組織する静岡県家庭紙工業組合では、各地のイベントで再生紙のPRを積極的に行っているほか、次々とユニークな需要掘り起こし策を展開している。
この六月には、新富士駅構内に情報ステーション「e‐SITIA」を設置。タッチパネル式の情報検索装置で、宿泊、食事、観光、公共機関などの情報を提供し、再生紙を使いプリントサービスをしている。
同時に、再生紙トイレットペーパーができるまでの工程を紹介したり、地球環境保護の呼びかけも実施。また、この夏からは、「地球環境を考えれば贈って便利、もらってうれしい」をキャッチコピーに、ギフト用品(一ケース・九六ヶ入三、〇〇〇円)として定着を目指す運動を展開している。
「再生紙に関してまだ、品質が悪い、価格が高い、などといった一部に誤認識も見られる。こうした誤りを払拭するとともに、環境対策を踏まえた需要拡大を図っていく」(佐野組合事務局参事談)考えだ。
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