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一年にして実績を残す

 現在、静岡県下での建具組合は同組合を含め十二を数える。いずれも共同受注を目的にしている。具体的には公共住宅・建設物等の建具関係工事の組合受注である。といっても、すべての組合が順調に受注を受けられる訳ではない。地域によって発注のバラツキがあり、市等によってもその取組みは大きく異なる。また組合内部の体制が揃っていない場合もあるからだ。
 その点、当組合は設立一年とはいえ、しっかりとした実績を残している。
 「官庁工事、民間工事を含め三千万円程度の受注実績をつくった。設立一年目なので、特に目標もないが、将来は官公需の拡大を目指したい」と中井理事長も控えめながら笑顔を見せる。
 中央会にも新しく建具組合を設立したいという相談は多い。ところが、頓挫するケースもまた多い。その理由は、出資金を払い、会費を払って組合を設立しても先が見えない、という思惑である。万が一、受注確保ができなかった場合でも組合は維持し続けなければならないという使命もある。それからすれば一年にして共同受注実績を残せたというのは、中井理事長にとっては、責任を果たせたという安堵感もあるように思う。
 「まだ本格的に軌道に乗った訳ではないが、市(富士市)の仕事の確保に力を入れたい。といっても今日行ってすぐとれるものでもない。営業にも力を入れたい」と言い、「同時に共同購入も伸ばしたい」と語る。



▲「官公需の拡大を目指したい」
 と語る中井理事長。



官公需適格組合の資格確保に

 組合の当面の課題は官公需適格組合の資格獲得である。
 適格組合となっても、それで官庁等の工事発注を受注できるという訳ではないが、受けるだけの基盤を確保することは大きい。現在、組合では建設業許可の取得に全力を上げている。(官公需適格組合の前提条件として、建設業許可の取得が義務付けられている)
 ちなみに、現在、静岡県下では官公需適格組合の資格取得組合は五一にのぼる。手元にある受注実績一覧(平成十一年八月二六日現在)では、当時の適格組合は四九組合あり、建設工事、物品・役務関係の官庁等の発注を適格組合で受注しており、その合計額は三八四億円にのぼっている。
 建具といえば、職人さんの集団でもある。その生真面目さは設立当初の創立総会にも表れた。
 創立総会はスタートを少しでもより良いものにしたいという考えから、リハーサルも事前に実行したともいう。挨拶文も中央会と入念に連絡しあい作成したともいう。いかにも、生一本の職人集団というべきである。
 本来、建具家具業界は営業力に乏しいと言われる。「営業には力をいれ、その給料分は稼ぐことが必要ですね。たとえ三年、四年かかったとしても」と共同受注の拡大の抱負を語る。そして、笑いながら「そして早く引退して、若い人にバトンタッチをしたい」と言うが、なかなかやり遂げなければならない課題も山積している。
 まだまだこれからですよ、理事長。


中小企業静岡(1999年 11月号 No.552)