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三つのキーワードが
経営革新を成し遂げる
 日本商工会議所
  中小企業委員会・委員長

   大西 隆 

昭和8年7月 三重県生れ
主な現職
昭和50年 9月 大西衣料(株)代表取締役
平成 4年 2月 せんば心斎橋筋卸協同組合・理事長
平成 8年11月 大阪商工会議所副会頭
平成 9年 1月 日本商工会議所 中小企業委員会委員長
         各、現在に至る




 中小企業が生き残っていくための三つの条件をあげた後、これを実践している地元企業の事例を紹介。

 中小企業がこれから二一世紀に向かって生き残っていくためには、
(1)独自の技術や知恵の駆使
(2)迅速な意思決定
(3)連携・相互協力による外部資源の活用(アウトソーシング、異業種、専門指導機関の活用)が必要であり、また、これができることが中小企業の強みといえる。
 地元の大坂府下では全国シェア三〇%以上を占める企業が製造業で一五〇社ほどあり、また、商店街の活動等もユニークなものがある。



■オルファ(株)

資本金三六〇〇万円、従業員五七人、年商五〇億円
 カッターナイフのトップブランド。
 昭和三一年、それまで主流だった折りたたみのナイフを、押し出・スライド方式にし、世界で初めて、“折る刃式”のカッターナイフを完成した。
 社名のオルファは「折る刃」から来ている。現在、全国シェア五〇%。生産設備は持たず全部外注。五〇以上の下請を使っている。四〇年間取引が続いている企業も多いが、求める品質のものが出てこない場合には、即取引停止。もたれ合いの関係をつくらないことを会社のモットーにしている。



■山本光学(株)

資本金九八五〇万円、従業員二二〇名、年商七六億円
 曇らないスキーゴーグルのメーカー。元々は、創業明治四四年の防塵や水中めがねのメーカー。昭和四七年の札幌オリンピックを契機に、親水性ポリマーの技術ライセンスにより、曇らないスキーゴーグルを開発。従前からの大阪府立産業研究所などとの連携協力関係が大きな原動力となった。



■天神橋商店街

 一丁目から九丁目まで全長三キロメートルの日本一長い(であろう)商店街。次々と新しいイベントを仕掛け、「どんなおもろいことをやるか」消費者やマスコミから注目されている。
 その一つである「おかげ屋台」では、自転車付の屋台を一日五千円で貸し、一般人も商店街のなかで商売ができるようにして大人気。また、商店街を端から端まで歩いてもらった人には「万歩状」という賞状を授与するなど常に動き、また、何かやりそうだというイメージを生み出している。
 その他、いずれの事例をみても先の三点が、経営革新を遂げるための方策として大事なことだと思い、基本的なことではあるが、改めて提言させていただいた。
 特に、連携・相互協力による経営資源の補足・経営効率のアップについては「中小企業組合」が担う大きな使命であり、組合の存在意義は今後ますます高まってくるものと思っている。


中小企業静岡(1999年 11月号 No.552)