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業界全体の危機感を背景に協業化を実現!
全国的にも水がおいしい静岡県。醤油は、この水で旨みが変わる。 戦前、静岡県は有数の醤油生産県であった。 しかし、静岡市の大火、戦災等により業者も減少し更に高度成長期に入り大手企業が資金力、宣伝力で業務を拡大した一方、小規模・中小企業は近代化が遅れ、転廃業も進み戦後最盛期の四割にまで、県内の醤油業者が減少した。 業界全体の危機感を背景に昭和四六年、製造部門の協業化を目的に十七社で法人化。静岡県産醤油協業組合がこうして誕生した。 当組合員は、自身が持っていた生産効率の悪い醤油製造設備を廃棄し、販売ルートの拡大に努めた。 設立と同時に業界の構造改善事業として土地を購入(一万七百六十七平方メートル)し、醤油工場、福利施設等を設置した。工場建設から生産、出荷に至るまでの過程、運営への対応、商品種類の設定の仕方等が設立当時の組合の大きな仕事だったと言う。 醤油の県内消費量のうち、地元生産は約三分の一を占めている。うち七五%が当組合によるものである。 組合では生産事業に最も力を入れている。歩留まり(大豆等の原料を醤油に変える比率)の向上によるコスト削減を図ってきた。 設立当時の組合員工場の従業員数は約三百五十名で四〜五千キロリットルを生産していたのに比べ、従業員四三名で九千キロリットルを生産し、一人当たりの生産性は、格段に向上した。全国的にも十五番目の製造規模を持ち、醤油組合として、トップレベルにある。
ところで、私達の身近にある醤油の 歴史は意外と古く、奈良時代の醤(ひしお)という発酵食品や鎌倉時代の溜(たまり)と呼ばれる調味料に原形があるといわれる。また、文献では「醤油」の文字が登場したのは室町時代になってからのこと。 大豆と小麦を原料にした今日の醤油に近いものは戦国時代に生まれた。醤油産業はざっと400年の歴史と伝統がある。 原料は、脱脂加工大豆、小麦、食塩の三つ。これらを加工・発酵等し、約八ヶ月かけて製造する。工程は、すべて清潔で衛生的な管理の下につくられる。しょうゆには、大腸菌等を短時間で死滅させる殺菌力がある。成分中の乳酸やその他の有機酸類とある程度濃度の高い塩分とが共存して働き合う。同時に人間の体に欠かせない有用なアミノ酸を多く含んでいる。 |
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