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静岡市の中心地区に位置する呉服町名店街(組合員七五名、街長四〇〇メートル)の歴史は古く、徳川家康の時代までさかのぼる老舗商店街である。静岡県の中部圏、人口一二〇万人を商圏とする広域商店街であり、駅、県庁、市役所、駿府公園などの公的施設も近隣に位置していることから、商店街としては非常に恵まれた立地といわれていた。
そこで、呉服町をどうするか全体像を考えようと平成二年より、コミュニティマート構想策定事業に取り組み、アーケードなどのハード整備、CI事業、イベント事業、一店逸品運動などのソフト事業が提案された。 このうち、モール・アーケードの整備は、平成八年三月に完成。さらに、このアーケード整備に合わせ個店のリニューアルも実施され、一層商店街のイメージアップへとつながった。 消費者ニーズを″逸品″に 一方、ソフト面でもっとも効果を上げている事業は「一店逸品運動」。平成五年から始まったもので、加盟各店が静岡らしい、呉服町らしいオリジナル商品を開発して毎年春に「逸品フェア」として開催している。
その逸品も、駿河湾のサクエビやシラス、鰹節をパンの生地に織り込んで焼き上げたスティックパン「するがぱんずら」のように静岡の味を提供するものから、一見は普通の傘だが、たたむと細身になる構造で杖として使える「つえ傘」のようなアイディア商品、サッカー王国静岡ならでの豪華な「黄金のホイッスル」といったものまで様々。 今年も両サイドに名刺が収納できるツイン名刺入れ「取り出し上手」、静岡産の上質煎茶を使った「煎茶シフォンケーキ」などそれぞれの店が創意工夫した七点を発表。今までの発表品とあわせ個性的な商品、サービスを提供し、呉服町名店街の醍醐味を満喫していただき盛況を博した。 開発された商品は、お客様の顔が見える個店ならではのアイディアが数多く取り入れられている。その人気からフェア期間外も販売され、定番逸品として定着したものも三〇品目以上に及ぶ。 「一店逸品運動は初年度からマスコミで大きく取り上げられた。これがきっかけで消費者にアピールしただけでなく、今まで興味を持ってくれなかったことが多かった組合員も、より積極的に商店街の運動へ参加するようになった」という。 一昨年からは、商店街の中にある百貨店伊勢丹との共同広告にも取り組んだ。地域としての呉服町のPRだ。新聞の見開き大のチラシに、伊勢丹はオリジナル商品を、商店街は各商店の逸品を商店街の地図とあわせて近隣三〇万世帯に配布した。 「我々は、百年委員会を設け、百年後も生き残れる商店街を模索しています。商店街の成功の秘訣は、商店街を構成する店舗のすべてが組合活動に参加すること。全員参加、これが我が商店街の誇りです」 大村理事長は最後にこう付け加えた。 |
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