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東西見聞録 組合にしひがし  あるある全国おもしろ組合  300字登場  編集室便り

そこが知りたい---
東西見聞録
TMプラザにみる
  異業種交流の姿

活動期間を二年に区切り
 “実践型”の交流を実現


 「県技術・市場交流プラザ(TMプラザ)」は、異業種の企業が技術や人的交流を図ることを目的に、県内東・中・西の各地区で活動中の組織だ。
 今回紹介するのは、中央会沼津事務所が事務局を持つ「県東部技術・市場交流プラザ」。
 平成四年度に県当局から事務局を預かって以来、別表にある3つの融合化組合を輩出。中でも昨年度設立された「すそのテクノ開発(協)」は、沼津インキュベートセンターに入居するなど、他地区とは違った独自の成果を収めている。
 サロン的なものに終始しがちな異業種交流にあって、このプラザが、五年という短期間に3つの融合化組合を生んだのは、事務局である中央会が組合づくりの専門家ということのほかに、その運営方針に“秘密”がありそうだ。
 このプラザでは、同一メンバーでの活動期間を2年に区切り、新陳代謝を図っている。
 そのメンバーも、事前のアンケート等十五社程度に絞り込み、業種も、例えば製造業といった大きな括りの中で、より近い問題意識を持つ企業が実践的に交流できるよう配慮している。
 2年間の活動がはじまると、まず取り組むのがメンバー各社の視察と意識調査。その会社が抱える問題点をあぶり出しながら、他の企業との連携の可能性を探り出す。こうしたデータをもとにテーマを選定し、メンバーをグルーピングするのである。
 ここで肝心なのが“成果を強制しないこと――”。
 やるからには、それなりの成果を収めたいというのは当然だが、事務局の役割は“水辺に誘う”ところまで。あとは、工業技術センター等の助言を得ながら、企業自身が判断する。こうした姿勢を貫くことで、自由に参加しようという意識が生まれ、このムードがユニークな発想を導いているのである。
 今年度同プラザでは、組合の青年部等で組織する「青年中央会」のOBを対象にメンバーを構成し、OBとしての次の活動を模索すべく準備を進めている。
 今後、女性経営者を対象にしていく考えもあり、ユニークなグループや組合の誕生が期待される。


 中小企業静岡(1997年7月号 No.524)
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