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特集

静岡県の労働事情
21年度 中小企業労働事情実態調査結果の速報

従業員の教育訓練について

効果的な組合等による共同訓練

教育訓練の実施方法は、「事業所内での研修会・勉強会の開催」が49.1%と最も多く、次いで「必要に応じたOJT」(45.9%)、「民間の各種セミナー等への派遣」(33.3%)の順(図表9.)。

規模別では、「100人〜300人」で「事業所内での研修会・勉強会の開催」が81.0%と最も多い。一方、「1〜9人」では「事業所内での研修会・勉強会の開催」が29.7%、「協同組合等の共同訓練への派遣」が28.6%となっている。

業種別にみると、「情報通信業」で「事業所内での研修会・勉強会の開催」が100%となっている。

図表9. 従業員の教育訓練はどのような方法で実施しているか)(複数回答:%)

教育訓練の目的で最も多いのが、「基礎的な知識・技術・技能の習得」(84.1%)で8割を超えた。これに「新しい機械・設備の知識の取得」(37.9%)、「管理能力の向上」(30.9%)が続く。

業種別では、「製造業」が、「新しい機械・設備の知識の取得」(47.3%)、「非製造業」では、「礼儀作法・接客態度などの向上」(40.2%)と業種の特性が表れている。

教育訓練の対象となる従業員は、「管理・監督者」(48.0%)が最多。ほぼ同数で「中途社員」(47.2%)、「新卒社員」(42.7%)が続いた。

業種別では、「製造業」が「生産関係の技能者」(69.5%)、「非製造業」では「中途社員」(47.9%)が最も多い。

自己啓発促進のための支援は、「学費やセミナー受講料等の金銭的援助」(37.5%)と「資格取得者への手当・報奨金の支給」(35.6%)がほぼ同数となった(図表10.)。

図表10. 自己啓発への支援措置(複数回答:%)

業種別にみると、「製造業」では「学費やセミナー受講料等の金銭的援助」(35.1%)、「非製造業」では「資格取得者への手当・報奨金の支給」(42.7%)が最も多い。

教育訓練上の問題は、「対象従業員の時間的余裕がない」(40.8%)、「教育訓練の成果が明確でない」(25.8%)が挙がった。

雇用調整について

4分の1の企業が雇用調整を実施

経営上の理由による従業員の削減を伴う雇用調整は、「行った」が24.2%、「行わない」は75.8%であった。

規模別にみると、「行った」は「1〜9人」の10.0%に対し、「100〜300人」では55.2%と規模が大きくなるにつれて増加している(図表11.)。

業種別では、「行った」は、「製造業」の36.7%に対して、「非製造業」では13.0%となっており、「製造業」の雇用調整が顕著であることがわかる。

雇用調整を「行った」場合の削減方法で最も多いのが、「契約・臨時社員、パートタイマーの雇い止め」(40.6%)。これにほぼ同数で「退職者の不補充」(39.6%)、「派遣契約の解除」(35.8%)が続いた。

規模別でみると、「派遣契約の解除」については、「1〜9人」0.0%、「10〜29人」11.5%、「30〜99人」38.5%、「100〜300人」62.5%となり、規模が大きくなるにつれて多くなる。

図表11. 人員削減を伴う雇用調整を行ったか

(拡大図を見る)

従業員の雇用を可能な限り維持するための取り組みは、「残業規制」が30.1%で最多。「一時帰休(休業)」(19.6%)、「休日の増加」(18.9%)がこれに続いた。

規模別では、「行っていない」との回答事業所が「1〜9人」で54.5%であるのに対し、「100〜300人」では14.8%となっており、規模が大きくなるにつれ何らかの措置をとっていることが分かる。

業種別にみると、「製造業」では「残業規制」(48.1%)、「非製造業」では「行っていない」(60.4%)が最も多い。

雇用調整に関する助成金の利用については、「雇用調整助成金」の利用が8.2%、「中小企業緊急雇用安定助成金」の利用が20.9%であるのに対し、「利用していない」は71.9%と7割を超えた。なお、規模が大きくなるほど利用割合は高い。

業種別の利用状況は、「製造業」では46.5%が利用しているのに対し、「非製造業」では10.8%に止まった。

雇用調整に関する助成金を利用する際、または利用を検討した際に障害になったことは、「書類作成など申請手続きが煩雑である」が40.7%を占めた一方、「特にない」も35.4%に上った(図表12.)。

図表12. 雇用調整助成金の利用上の障害(複数回答:%)

規模別では、規模が大きいほど、「書類作成など申請手続きが煩雑である」、「申請から受給までに時間がかかる」と回答する事業所が多く、規模が小さいほど「特にない」との回答が多い。