google

事務局 多士済々

「70にして心の欲する所に従いて、矩を踰えず」

静岡県紙器段ボール工業組合
小川晋一 事務長

旧国鉄富士宮駅やJR東静岡貨物駅の駅長などを務めた元鉄道マン。平成9年6月、JR退職後、組合に入った。自身を含め過去3人の事務長は、いずれも旧国鉄OB。

「たまたま、初代事務長が国鉄出身で、退任時に後輩を紹介したのが始まり。私も先輩から、退くから後釜にと、請われたのがきっかけです」。

組合は板紙、厚紙などのパッケージや段ボールの製造業者31社で組織。上部団体をはじめ、多方面から得る様々な情報を組合員に提供するのが、事業の柱だ。

従業員5人以下の零細事業所が全体の3分の1を超える一方で、東京や名古屋などに支店や営業所を置き、全国展開する組合員も少なくない。このため、企業規模によって、組合に対するニーズも異なる。

「収集した情報は全ての組合員に等しく提供するとともに、組合員から寄せられる市況情報などを集約し、フィードバックするなど、最大公約数のニーズを常に把握するよう努めています。“役者”である組合員に、気持ちよく踊ってもらうための“舞台”を整えるのが事務局」と役どころを例える。

論語の一節、『70にして心の欲する所に従いて、矩を踰えず』を念頭に置き、日々過ごすよう心がける。

「私は商売の門外漢なので、直接的な事業のアドバイスはできません。しかし、時には敢えて、企業の社会的使命などについて、思うところを発言するようにしています。もちろん、論語の“思うままに振舞っても、道理は外さない”ことを肝に銘じてね」。

国鉄時代の旧友たちと月に1度、顔を合わせるのが楽しみ。

「もう7、8年になるかな。いちいち日程の調整をしなくてもいいように毎月、第1土曜日と決めました。酒を酌み交わしたり、麻雀に興じるのも楽しいですが、季節の流れを感じ、生活にメリハリが出ていいもんですよ」。