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新設組合・読者プラザ

本当の「食育」とは

静岡市ホテル旅館協同組合
理事・青年部長
佐野正卓

「ニンジン嫌い」「ピーマン嫌い」…。子供の好き嫌いに悩む親御さんたちは多いかもしれない。何故だろうか?自分たちが子供だったころを振り返ると、何らかの原因があったはずだ。食わず嫌いや味が気にいらないだけかもしれないし、無理矢理食べさせられてトラウマになった、ということもあるだろう。こうした原因を取り払うには、やはり幼いころからの教育が必要かもしれない、と思うのだ。

我が家はマンション暮らしで、日当たりの良いベランダがある。ここで夏はピーマンやジャガイモ、ナス、冬はダイコンや葉物野菜を育てている。水をやり肥料を与え、可能な限り農薬を散布せず、害虫駆除をする。葉が茂り、花が咲き、実が大きくなる様子を我が家の娘は収穫するその日まで見守っている。

娘の手で収穫された野菜が食卓に並ぶと、彼女は美味しそうにほお張った。ピーマンもニンジンも大好き。収穫までの過程で、自分が育てたことを自覚しているから食べられるのだ。

これが本当の意味での「食育」ではないか、と私は思った。