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事務局 多士済々

「組合員が最優先」を常に念頭に置く

志太鉄工機械工業協同組合事務局長・焼津鉄工団地協同組合事務局

中村鐘代氏

前職は証券マン。30年以上にわたり全国を転任した後、平成12年、ふるさと静岡に戻り、志太地域の機械金属業者80社で組織する組合の事務局長に就任した。

「ひとくちに“機械金属製造”といっても、食品機械から輸送用機械、工作機械、金型に至るまで千差万別。企業の数だけ業種がある。いまだにその定義は分からない」と業種の幅広さに驚きを隠さない。だが、それ以上に戸惑ったのが組合組織だ。

「企業のトップダウン方式ではなく、“一国一城の主”の多様な意見を調整、合議し、運営していくのが組合。最初は、この考え方に戸惑いましたね」と元証券マンは苦笑するが、「今は違いますよ」と、ことばを続ける。

「事務局を預かり8年。もどかしく感じた合議制は、慎重な判断や公正さなど、組合組織に相応しい方法なんだなと強く感じるようになった。なぜ、組合が必要なのかもね」。

事務局には、組合員から企業の総務や労務、賃金など様々な問い合わせがある。

「“組合員が最優先”を常に念頭に置き、即答できないことは専門家に確認したり、図書館で調べる
なりして、必ず正確に回答する。証券会社時代の知識が役立つことも多いですよ」。

平成15年から、焼津鉄工団地協組の事務局も兼務。週に1日は必ず団地事務局に詰める。

「鉄工団地は、志太鉄工が母体になった組合で役員も重複している。だから逆に資料作りや会議の運営には工夫が必要。まったく同じじゃ“事務のプロ”は失格」。

夏から秋にかけ、団地を覆う雑草を汗まみれになって刈り取る。

「あまりに生えっ放しの状態で見るに見かねて始めたのが4年前。事務所で涼んでいるより、真夏の太陽の下で体を動かすほうが性にあっている。カネもかからず団地も綺麗になるしね。半ば趣味みたいなものだよ」。