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事務局 多士済々

木材産地盛り上げる仕掛けを次々と

天竜木材産地協同組合
三原邦彦事務局長

祖父が興した製材業の三代目、元組合員の経歴をもつ。平成5年、事業所を閉じるという苦渋の選択をし、組合事務局に迎えられた。

「組合員として、さらに事務局としても天竜材に携わることができるのは幸せなこと」と全国屈指の木材産地への愛着を滲ませる。

事務局入りして最初に手がけたのは、昭和35年の組合設立と同時に設置したチップ生産設備の全面更新だ。

「新しい機械から、従来とは比べものにならない勢いでチップが吐き出された瞬間、職員の誰からともなく拍手が起こり、それが自然と全員に伝わった。入れ替えて良かったな、と心底思いました」。

組合員は80社。育林から製材、加工、流通、販売に至る“川上から川下まで”文字どおり天竜材を扱う業者を網羅する。

「最盛期の組合員は180社。従業員はチップ事業部だけでも、100人を抱える大所帯だったことを思えば寂しいですが、天竜ブランドを守り、後世に引き継ぐのが組合」とその視線は先を見据える。

組合では、天竜材の普及を図るため、次々に新たな手を打つ。

浜名湖花博を機に、組合で地元材の共同受注を始めた。組合が音頭をとり地元材を使った住宅建築に対する助成制度も話題を呼んでいる。乾燥設備やストックヤードの新設を含めた施設の移転など、新たな拠点づくりも模索中だ。

組合員の立場にたち、何を求めているかを常に先取りし、実行に移す。組合員としての経験がなけ
れば、容易にはできない。

「理事長はじめ執行部の強力なリーダーシップのもと、組合に活気が甦ってきた。環境への対応というフォローの風が吹くいまこそ仕掛けるチャンス。産地を盛り上げるためなら、何でもやりますよ」と力強い。

社会人になり始めたゴルフ。「始めて30数年になるが、いまだにスコア100を切れない。笑われちゃうかな」と苦笑い。