静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2008 January No.650 災害に強く、クリーンなエネルギーで公共施設を共同受注。フジ・エルピージー協同組合
LPガスはクリーンなエネルギーガス・電気・ガソリンなどのエネルギーは、国民生活や経済活動の基盤をなすものであり私たちの生活に必要不可欠なものである。 一方で、エネルギー起源の二酸化炭素は、地球温暖化問題の要因となる温室効果ガスの大部分を占めるなど、エネルギー利用に伴う環境問題は顕在化しており、それをどう抑制していくかが重要な課題となっている。 そうしたなかで、「液化石油ガス」(LPガスまたはプロパンガスとも言われる。)は、環境負荷が相対的に小さくクリーンなエネルギーとして位置づけられている。 当組合は、この液化石油ガスを販売する富士市内の事業者で平成8年に設立された。 組合名称のエルピージーは、液化石油ガスの英語標記であるLiquefield(液化)、Petroleum(石油)、Gas(ガス)の頭文字をとったものである。 その販売にあたっては、経済産業大臣や県知事への登録が必要となる。 受注窓口を一本化
組合設立にあたって、静岡県エルピーガス協会東部支部富士地区会の事業者が中心となった。 当時、富士地区会には60社のLPガス事業者が所属。富士市からそれぞれが直接に公共施設の業務を受注していた。そのため請求書や納品書の様式、締め日などが異なり、市は煩雑な事務処理に苦慮していた。 「地区会では再三にわたり議論を重ね、公共施設の受注窓口を一本化させるために、組合を設立する結論に至った。その結果、請求書の様式や締め日などを統一することができ、市の事務処理は飛躍的に効率化した。こうしたことで、LPガス業界は市から高い信頼を獲得することができた。その頃、都市ガスの供給エリアも拡大しており、業界が結束してLPガスの普及推進に取組む意味でも組合設立は有効であった」。相佐理事長は、設立の効果をふり返る。 災害に強いLPガス平成7年の「阪神・淡路大震災」、平成16年の「新潟県中越地震」は、わが国を震撼させた大変痛ましい出来事として私たちの脳裏に焼きついている。 「震災でライフラインが壊滅的な打撃を受けた。都市ガスの復旧には多くの日数を費やしたが、LPガスは10日ほどで順次速やかに復旧した。また、避難所では食事の調理や暖房などにも活躍。災害に強いLPガスの特性が十分に発揮され、各方面にその利点を認識させることができた」と理事長は、LPガスの特性を強調する。 LPガスは、分散型エネルギーとして高い特性を持つ。組合は、この特性を行政機関に強くアピールし公共施設の受注を獲得するために、渡邉事務局長を中心に緻密な営業活動を展開してきた。 「地域防災の拠点である富士市消防庁舎が老朽化により平成13年3月25日に再建された。最新の免震工法で再建されたものの、当初LPガスは供給されなかった。組合は災害に強いLPガスの特性を幾度となく説明することで、市の理解を獲得し庁舎の厨房室でLPガスの供給が開始された」。渡邉事務局長は、営業活動の成果を熱く語る。 組合のこうした地道な営業活動と組合員の丁寧な業務遂行が高く評価され、市内の小中高校、市営住宅、富士山こどもの国などを中心に、現在48施設の実績がある。 積極的な広報活動を展開わが国の日常生活で、LPガスが本格的にエネルギーとして利用されるようになったのは、昭和30年代に入ってからである。既に半世紀が経過した。その間、ガス漏れ防止のマイコンメーターなど様々な器具が開発され、各種法律面も整備されてきた。平成8年には、(1)販売事業が許可制から登録制に移行 (2)保安と販売の分離など、大幅な改正が行われた。 こうした規制緩和は経済活動を活発にする反面、消費者とのトラブルやLPガス事故の増加などのマイナス面も産みだしてきた。 そこで組合は、“富士市環境フェア”などの各種イベントに出展し、消費者にLPガスの安全性やメリットなどのPR活動を行い信用の向上に努めている。 「LPガスはクリーンなエネルギーである。災害にも強く全国津々浦々で利用されるなど、生活に密着したエネルギーでもある。今後も広報活動を積極的に進めることで、LPガスの需要拡大を図っていきたい」。理事長は、安定したエネルギー供給のために懸命に取り組んでいる。
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