寄 稿 
 視点・指導員の現場から 
 編集室便り 




 住所 〒426-0036 藤枝市上青島208-3 
 理事長 大塚 勝
 組合員 33名
 出資金 6,370千円 
 TEL・FAX 054-644-1233


駿遠地区畳商工業協同組合

健全な組合運営で
県知事褒賞を受賞





 ▲倉庫、会議室を備えた
  活動の拠点・組合事務所

官公需の共同受注で法人化

 室内の湿度を調整する機能、空気を浄化する機能、適度の弾力性、優れた耐久性、吸音・遮音効果、断熱性、さらにアロマテラピー効果の香りと、数多くの機能を持ち、住まいとともに進化している畳。
 湿度が高く気温の変化の多い日本の風土に最も適した敷物として愛用されている。
 畳業者は一般的に小規模で、新畳の場合、受注先で最も多いのが建設業者という下請け色も強い。
 県内では昭和四十年頃から「公共工事の畳部門の“分離発注”を実施してほしい。畳店へ直接発注すれば低価格で良品質のものを納品できる。地元の公共工事は地元の業界にまかせて欲しい」と主張してきた。市町村の公営住宅では、徐々にその成果が見られていた。
 四十年代後半に入り各地に県営住宅が建ち始めた。しかし建設業者の下請や孫請負としての受注、さらに地元にいながら受注できないという状況が続いた。そこで県下の業者が一致団結して行政、関係機関へ働きかけを行ってきた。
 長年の努力が実り、県営住宅建設工事の畳部門を五五年度から、協同組合が元請負として共同受注することが可能となった。
 そこで先発の静岡、浜松、熱海、清水に続き、県下五番目となる組合を昭和五四年十二月に設立。五五年二月末には、県内一○地区に畳協組が誕生した。



▲地域の産業祭へ出展して
 畳の魅力をアピール

共同購入も事業の大きな柱

 設立後は五六年二月に建設業許可、四月には県入札参加資格を取得、五七年五月には官公需適格組合としての証明を受け、現在に至るまで、組合員の安定的な受注確保に成果をあげている。 
 組合事業は共同受注のほか、共同購入、共同検査、共同宣伝等を展開。特に他地区に先駆けて実施
した共同購入事業は、平成六年をピークにその前後の九年間で
取扱高一億円超を記録。組合員の資材(畳床、畳表)の安定かつ安価での調達、組合賦課金の据え置きに大きく貢献してきた。
 直近の平成十五年度実績は、共同受注で新畳工事が県・市・町営、民間をあわせ三四三・五畳、補修工事が住宅供給公社と市立病院の一五四○・五畳で併せた受注高は七、七○二千円。共同購入で畳床一一、四八七枚、畳表三三、七六○枚で取扱高は七九、○一五千円。昨今の景気や住宅の洋風化を反映して金額は減少しているが、剰余金を一、五一一千円計上するなど運営・財務状況は安定している。



中小企業静岡(2005年1月号No.614)