寄 稿 
 視点・指導員の現場から 
 編集室便り 



 寄 稿 

仕事に活かす情報検索 講座
ー 仕事に使える情報を入手するには ー

情報サロン味岡 司書・サーチャー

味岡 美豊子(あじおか・みとこ)

〒430-0903 浜松市植松町59-16
tel/fax 053-464-4032
http://homepage3.nifty.com/salon-ajioka/




 ■的確な情報入手ができて、はじめて好い仕事に結びつく。
 ■インターネットで、情報に翻弄されないための検索法とは。 
 ■発想の転換や生の統計データを換算・加工してみる。


 みなさん初めまして、サーチャーの味岡(あじおか)と申します。
「サーチャー」と聞いて、どんな職業か即座に分かるかたは少ないと思います。もしかすると「司書」をご存じない方も多いかもしれません。
 まず「司書」というのは「図書館司書」ともいいます。図書館は、言ってみれば「情報がいっぱいある場所」といえます。その情報のひとつひとつと、利用者のみなさん一人一人を結びつける仕事をするのが「司書」です。例えば「ランゴバルト美術の工芸品の図版を見たい」というかたに、西洋史や美術史の本の図版をご案内するのも図書館の情報と利用者を結ぶことですし、子どもが「大男とお姫様の出てくるお話しが読みたいの!」と言ってきたとき「こんな本があるよ」と案内してあげるのだってそうです。司書はそのために、本を探す「目録」を整備し、書架を整備し、利用者がどんな情報を求めているのかを聞き出す「インタビュー能力」を磨き、検索用書籍(事典・便覧など)の使い方の熟知を心がけているのです。
 さて、「サーチャー」です。サーチャーはsearcher。つまり「検索(search)する人」という意味です。日本では一九八○年代に入ってからできた資格です。資格上の正式名称は「データベース検索技術者」といいます。古くから「紙」に印刷されてきた情報がコンピュータの発達とともにデジタル化され、企業情報や新聞記事、論文情報や特許情報などが次々にデータベース化されていきました。先ほどの司書が図書館の情報を利用者に結びつけるのが仕事だったのと同様に、サーチャーはデータベース内の情報をエンドユーザーに結びつけるのが仕事です。適切なデータベースファイルを選び、的確な検索方法で、エンドユーザーの求める情報を探し出してお渡しします。
 基本的に司書は公共図書館や企業内図書館、サーチャーは企業内図書室や情報調査会社(例えば特許調査会社、マーケティング調査会社)などに所属しているのが普通です。私のようなフリーランスのサーチャーは少数派です。私にしても、いきなりフリーで開業したわけではなく、企業内図書室→公共図書館→公共の専門情報室を経て独立しました。ちなみに私の専門分野は「特許調査」です。もともと企業の図書館から出発した関係で、本来はビジネス情報全般を扱っていたのですが、公共の専門情報室で特許情報を多く扱った関係から、いつのまにか特許情報に詳しくなってしまいました。




中小企業静岡(2005年1月号No.614)