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 清水建具協同組合
 地域に生きる職人集団
〒424−0947
清水市清水町12番16号
理事長 牛永 正俊
組合員   26名
出資金 113
万円
TEL:0543−53−0361





▲建具職人の “技” が光る組木の数々


職人技で本物作り

 湿気の多い日本の風土。建物や家具にも多くの工夫が施されている。中でも長い歴史を持ち高い評価を受けてきたのが木製品。木は伐採、製材、加工されても「活き」続けている。
 日本人の日常生活の中に溶け込んで、日本の文化を守り続けてきた建具。
 勤勉な日本人にとって、家具はきちんと動いて当たり前。そんな当たり前の建具を作る清水の職人さんが、平成十二年四月に組合を設立した。
 組合では昨年、建設業許可、官公需適格組合証明を相次いで取得。これまでの業界は、仕事に対してどちらかといえば、待ちの姿勢が強かった。組合活動を通して、業界を変え積極的に前に出る体制を整えた。
 しかし、業界の状況は良い物さえ作れば売れた時代から、製品コストの削減が横行し、品質の低下が著しいと本物の建具職人さんたちが嘆く。

適格組合証明取得で業界活性化

 組合を設立した最も大きな目的は、単に仕事を増やすだけでなく、良い物を安く消費者に提供すること。
 しかし、最近では良いものを作っても、なかなかその良さを理解してもらえない歯がゆさもある。本物の建具作りを通して再度、日本文化の良さを理解してもらうことも、組合の大きな役割と考えている。
 県内では、平成十年より県営住宅の建具工事の分離発注が始まった。現在は、県内の九地区で、建具組合が官公需適格組合証明を取得し、県の工事を直接受注している。
 平成八年度、清水市に出された新築の建築確認申請は約千五百六十件、平成十二年度は、千百九十件と四分三に減少している。
 さらに面積(新築、増築含む)は、八年度に四七万一千m2が十二年度には、二八万六千m2と四割近く減少している。(平成十三年版住宅統計調査より)
 こうした厳しい状況の中で組合を設立した背景には、他地区の組合活動に刺激された青年部の声が、大きく影響している。


中小企業静岡(2003年 1月号 No.590)