ネットサーフィング
富士の叫び
フラッシュ
特集
REPORT
INFORMATION
ネットワーク
展示会情報
くみあい百景
ワンポイント
読者プラザ
編集室だより



くみあい百景





▲マルチメディア研修会。
 キーボードを打つ手も軽やか…。

企業戦略にITの活用


 多くの団地組合で、ハードの充実と償還の終了により、組合員の組合に対する意識に変化がおきている。意識が多様化するなかで「多くの先輩がハードの取得・整備に時間とお金をかけ、すばらしいものを残してくれた。これからの組合に求められるものは、ソフトの充実。ハードを活かすための方策を考え実践するのが、私の仕事」と水野理事長が話す。
 昨年から取組み始めた、電子商取引の開発を目指す中小企業マルチメディア対応事業。インターネットビジネスに対応するインフラ整備と、人材の育成はこれからの企業経営に欠かせないと、積極的に取組んでいる。とりあえずの目標は、組合内イントラネットの構築。組合員企業が持つ技術・製品情報の交換を行い、さらにインターネット上で受発注できるシステム作りを目指している。事業は、委員会で基本的な方針が検討され、人材の育成にウェイトを置いて進められている。ほとんどコンピュータと縁がなかった組合員が、自力でホームページを立ち上げるまでになってきている。
「多くの中小企業は、従来からの取引先との付き合いで精一杯。新しい方向や分野を探るため、人を割く余裕はない。ITを活用して様々な情報を探れば、二一世紀の方向が見えてくる」。事務の合理化や省力化だけでなく、プロの物作り集団として、ITを戦略として活用したいと理事長が語る。



▲21世紀の団地を語る水野理事長

地域に生きる中小企業

 中小企業は人材育成に多くの費用をかけることは出来ない。おのずから、組合の役割が見えてくる。中長期的な展望の中で、広い分野をカバーする事業が求められる。
 どこの団地でも共通する課題は環境問題。当団地は、両側を川にはさまれ、企業が廃液等を出せば直接、川から海に広がり環境を汚染する。このため、より慎重に取組むべき課題と考えている。環境問題は、トラブルが起きてからでは、二倍の労力とお金がかかる。企業の損益から見れば、環境対策は、マイナス要因。しかし、地域に生きる中小企業であれば、絶対に必要と環境保全を組合重点事業と位置づけている。

長官表彰を受賞

 様々な組合活動が評価され、先ほど行われた中央会表彰式典において、中小企業庁長官表彰を受賞。関係機関からも今後の組合活動が期待されている。
「理事長に選ばれてから今日まで、団地に進出させて頂いたお礼と思い、仕事をしてきた。行政当局などの貴重なご支援を組合活動に生かすのが自分の仕事と、考えてきた。今後も組合員一同力をあわせ、地域の発展に努めたい」と理事長が喜びを語る。
 現在、組合員企業のトップのほとんどが二世経営者。組合青年部「藤工会」のOBが占めている。団地設立から三十余年。組合運営は若いパワーを中心に団結し、新たな分野への挑戦に燃えている。


中小企業静岡(2001年 2月号 No.567)