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後継者の心中はいかに!
―後継者実態調査結果より―




  静岡県中央会では、このほど「後継者実態調査結果」をとりまとめた。
今回は主に「中小企業の次期経営に携わる予定の方」(以下:後継者)を対象に、
事業継承・企業経営の基本的な考え方や課題について調査を行った。
 円滑な企業承継を行うには、現経営者(親等)と後継者(子等)の意志疎通が重要となる。
後継者の心中を察して頂くための一助となれば幸いである。



 本会では、既に平成十年度に経営者(親等)を対象にした「後継者問題調査」を実施。四〇%の企業で後継者が決まらず、問題が先延ばしにされている実態が明らかにされている。
 このことも踏まえて、後継者(子等)に対する調査項目を設定した。

■調査実施概要

 調査対象 県下組合青年部の会員八〇〇名
 調査方法 調査票を各組合青年部宛に配布、回収
 調査時期:平成十一年十一月一日〜三一日
 回収率 :有効回答数二七八社(有効回答率三四.七%)

■入社理由、後継者としての打診・指名

「自分から進んで入社した」と自発的な理由で入社した者が六〇.三%に達している。積極的な動機で入社しているケースが多い。その他、「親(家族)の意向」(三二.八%)、「周りの人の勧め」(二.六%)と続いている。




 日頃より現経営者とその家族が会社の経営に前向きな姿勢を示し、事業継承の環境作りを整えてきた結果ともとれる。
 なお、現経営者から「後継者としての打診・指名をされている」のは六〇%以上にのぼるが、「指名されていない」(十四.七%)、「わからない」(十六.二%)との回答もあわせて三〇%以上に及んでいる。
 状況や後継者の年齢等の違いがあり一概にはいえないもののが、後継者の事業承継に対する意欲と関わって微妙な結果が含まれている。

■今の会社を継ぎたいと思いますか?

 「継ぎたい」と答えた後継者が六七.五%いる一方「継ぎたくない」が五・八%、「わからない」が二六.七%存在している。
 ただ、「継ぎたくない」、「わからない」とする回答が必ずしも消極的な回答とは限らない。自らが興味のある事業を始めたいとするいわゆる「転業」、「創業」を志向している後継者がいる点にも留意が必要だ。


中小企業静岡(2000年 6月号 No.559)