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沼津事務所発

厳しさが続く組合運営の中で



ある時は先生にノウハウ交換のすすめ

 「組合はじまっていらいですよ、投票は」。心配そうな議長、あわただしく投票の作業をとりしきる事務局。
 今年の組合の総会シーズンを振り返ってみると、役員改選で投票制を採用した組合が増えてきた感じがします。
 結果、多くは現執行部が再選されていますが、黒板に記入されてゆく得票数の推移を見守る組合員の目は真剣です。
 どうも、言葉は適切ではないかもしれませんが時代の趨勢か、「根回し型」の役員改選方法に何らかの不満を訴える組合員が増えているのでしょう。日頃の組合運営に対しても同様のことが起きていると思います。
 一方、役員さん達の苦労話からは、役員を受けてもらうことが大変になっている例もまれに伺えます。
 長引く不況のなかで、さまざまな共同事業が苦戦しています。リスクが拡大し、あるいは事故が発生するケースも現実味を帯びています。執行部は大変な苦労をするわけで、そんな役員への就任をしり込みする気持ちが先に立つのでしょう。

高まる事務局の重要性

厳しいなか、組合員企業を支える共同事業の盛り上げや再構築が求められていることも事実です。この時にあたって執行部の舵取りが大切なことはいうまでもありませんが、実際に運営の実務を担当する事務局の重要性もますます高まっているといえましょう。
そこで私どもは、事務局に働く専務、常務、局長それに職員の方々が集まる「静岡県中小企業団体職員協会」へ事務局を加入していただくことを強くおすすめします。
 勉強会のほか、レクリエーションや懇親会を行っていますが、お互いの組合運営や実務に役立つ情報やノウハウを交換しよう、という機運が高まっています。「総会の運営を工夫したい」「こんな事業をやったら効果があった」「この場合の会計処理はどうしてる?」「え、補助金があるんですか」などなど。
 少ない人数で多くの範囲をこなす事務局さん達にとって、同じ立場での情報交換は非常に有益。この会で知り合った方々があるときは先生になり、ある時は生徒として教えを請う、そんな関係が広がっています。
 職員協会東部支部(六十九組合、支部長渡井篤氏・富士市浮島工業団地協組、事務局中央会内)は、不況を乗り切る情報交換を拡げるため、会への加入促進を今年の柱に掲げています。
 ある本のなかで、売上の落ち込みから様々な創意工夫で乗り切った経営者が、結局「バブルの時は工場の実力はつかなかったですねえ」と述懐し、「苦しみが経営の改善につながった」というくだりに感慨をおぼえました。だれも苦しみたくはありませんが、企業も組合も負けるわけにはいきません。
 本当の勝負はこれからです。組合役員、事務局そして職員協会、中央会、手を取りあって乗り切ってゆきましょう。(望月)


中小企業静岡(1999年 7月号 No.548)