特 集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 



特集 〜高度化資金を上手に利用する法〜




 共同事業のコツ 

まずは互いの中身を知ることから

山口 組合の共同事業がもつ求心力で、組合員の結束や運営の一体化が図れるといわれています。そこで、共同事業や団地内の企業連携の現状はいかがですか。
村松 金融、高速料金別納などの共同事業を行っていますが、組合員の間では、共同開発や受発注取引などの企業連携は大変活発に行っています。

団地内企業総売上と浜松市工業出荷額の推移

団地内企業売上合計
浜松市製品製造出荷額
昭和61年
213
17,006
昭和62年
359
17,355
平成3年
385
21,710
平成5年
317
20,262
平成7年
333
19,929
平成9年
586
21,150
平成11年
525
20,480
平成13年
573
19,752
平成15年
626
19,314(14年)
伸び率
約3倍
14%UP

藤島 団地内の受発注といいますと?
村松 例えば、ある加工の依頼があったとします。その時手一杯の仕事を抱えていたとか、自社の固有技術ではこなせない加工が一部あったとか、何らかの理由で企業が単独で仕事をこなせないケースが生じる。そこに団地内での取引が生まれるわけです。
 ただし、共同事業としてではなく、企業の自主的な判断で行われているのですが。
鈴木 同じ浜松市の工業団地でも、団地内で仕事を紹介し合うとか、理事長などが、大手企業と組合員との橋渡しをするといったケースもあるようです。
 これらに共通して言えるのは、組合員が互いの企業の中身について分かっていないとだめですね。データだけが頭に入っても、その企業を知ったことにはなりませんから。その意味で相互の工場見学は有効だし、現場で改善点を指摘し合うまでになればより理想的といえます。



中小企業静岡(2004年12月号No.613)