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● 措置件数の続伸

 中部事務所管内において下請法に違反し、又は違反するおそれがある行為(以下「違反行為等」)として、親事業者に対し改善指導の措置を採った件数は、長引く景気の低迷からか、平成十三年度の二九一社から二九八社へと続伸した(二・四%増。平成十二年度は二三二社)。
 なお、業種別には、平成十三年度に引き続き繊維関連業、一般機械器具製造業及び自動車小売業における違反行為等が多くみられた。

● 措置件数が全国の二一・八%

 全国の措置件数は、一、三六六件で、中部事務所管内における措置件数二九八件は、全国の措置件数の二一・八%を占め、ブロック別にみて関東甲信越に次いで多い。

● 買いたたき、受領拒否、購入強制、減額及び早期決済の違反が相対的に多数

 中部事務所管内の違反行為等を行為類型別にみて、全国と比較して相対的に多かったのは、下請事業者と十分な協議をすることなく不当に低い下請代金の額を決定する「買いたたき」が全国比六三・二%(二四件)、発注した物品等の「受領拒否」が同五五・二%(十六件)、親事業者が指定する物を強制的に購入させる「購入強制」が同五四・四%(四三件)、発注時の発注単価で支払わない「減額」が三一・四%(四三件)、有償支給した原材料代金を下請代金支払前に支払わせる「早期決済」二五・五%(十三件)となっている。

警告を行った違反行為等の事例

 なお、同資料では調査の集計結果とともに公正取引委員会が警告を行った主要事件についての事例が掲載されていますので、ここでは参考としてその一部を抜粋します。

▼下請代金の支払遅延

 精密機械器具製造業を営むB社は、精密部品等を下請事業者に委託している。
 B社は、毎月二〇日納品締切、翌月二〇日金融機関を通じたファクタリング方式による支払を行っており、支払期日である二〇日が金融機関の休業日の場合には、翌営業日に支払う旨、合意・書面化していたが、順延する期間が二日を超えるときでも、当該翌営業日を支払期日としていた。
 本件では、B社に対して、前述のような場合には二〇日以前に下請事業者が支払を受けられるようにするよう警告した。。

▼下請代金の減額

 繊維製品卸売業を営むC社は、繊維製品の製造を下請事業者に委託している。
 C社は、「歩引き」と称して下請代金から一定額を差し引いて支払い、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じていた。また、発注時に発注内容等の必要記載事項を記載して下請事業者に交付すべき書面に、必要記載事項の一部である支払期日及び支払方法等を記載していなかった。
 本件では、C社に対して、下請代金から減じた額(約一八〇万円)を当該下請事業者に速やかに支払うよう、また、発注の都度、必要事項を記載した発注書面を下請事業者に対して交付するよう警告した。

▼製品の返品

 電気機械器具製造業を営むE社は、電子機器の製造を下請事業者に委託している。
 E社は、下請事業者から受領した物品について、受領後六カ月を超えて下請事業者に返品していた。
 本件では、E社に対して、下請事業者から受領した物品について、受入検査合格後、直ちに発見することが出来ない瑕疵が認められた場合においても、下請事業者に対して受領後六カ月以内に返品するよう警告した。
 その他、当欄では、買いたたき、購入強制、有償支給原材料等の対価の早期決済、割引困難な手形の交付、発注書面の不交付・不保存などの事例が掲載されています。


中小企業静岡(2003年 8月号 No.597)