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くみあい百景
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▲500人規模で入札が可能な
オークション場内部
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複雑な流通形態
中古自動車の流通は、一般的に、中古車の販売店や整備業者が、不要な在庫をオークション場に持ち込み、現金化、あらたな車両を会場で仕入れる。新車ディーラーは下取り車を処分、新車の販売促進をはかる。自動車販売店と中古車オークションは切っても切れない関係にあり、中古車相場の形成に大きな影響を与えている。
オークション場は、中古車販売業者の組合が運営するグループ(略称JU)、オークション自体を収益の目的とする企業系、新車ディーラーが主催するグループの三つに大きく分けられる。
現在、市場に占める各グループの扱い台数は、企業系約七割、組合系約二割、新車系約一割と、圧倒的に企業系が強い。
全国では、年間に一五〇個所のオークションで、約五四〇万台の中古車が競りにかけられている。(平成十二年度調べ)
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▲ 安心と信頼を強調する組合
リーフレットと澤田理事長
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映像を取り入れた新システム
従来、オークションの手法は、入札者の目前を車が通過し、現物を確認する「現車」が主流。最近は最新のIT技術を活用した「映像化」オークションが注目を浴びている。
組合で行うオークションは、従来の「現車」形式で行われていた。しかし、処理台数などに課題があり、昨年、全国中小企業団体中央会の助成を受け、ビジネスモデルを策定した。
新システムでは、出品された車両を映像化し、競りを画像のみで行う。
「インターネットなど、IT技術の進歩により、大都市圏とは異なる地方のオークション場では、新たなビジネスの形が求められている。他のオークション場との連携やネットワーク化が、我々地方業者が、今後生き残るためには必要不可欠」と澤田理事長が新システムの構築に積極的に取り組んだ動機を話す。
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IT化には信頼関係が重要
新システムでは、ITを活用し、入札車両を映像化、競りをスピードアップ。「現車」システムの利点を残し、現物の確認も可能になっている。さらに、出品車両情報のホームページを創設、インターネット上で事前の車両情報の閲覧もできる。
IT化が進めば進むほど、売り手と買い手の間の信頼関係をいかに醸成するかが重要。中小企業の生きる道は、地域の流通の中で消費者との間に『互いの顔が見える』信頼関係をいかに結ぶかが大切であり、社会全体にIT化が進む中でも、人間関係が基本となる。
新システムの稼働により、競り処理台数、成約率の向上など競り業務の効率化に大きな効果を期待している。
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