人材やノウハウを求め、また、事業主の高齢化などを背景に、組合員以外から役員を迎えている組合が多くあります。
しかし、中にはその基準が不明確なまま取り扱われているため、時に組合運営に支障をきたした例も散見します。
円滑な組合運営のため、今回は定款との関係を中心に、その留意点を確認したいと思います。
◆員外理事について
法律解釈上は、理事の定数のうち3分の2までは必ず組合員又は組合員たる法人の役員であることを充たせば、員外理事をおく旨を定款に定めなくても、員外役員を置かない旨の規定がなければ、理事の定数の3分の1まではおくことができるとされています。
しかし、員外役員に関する事項を明確にさせるためには、員外理事をおく場合は、定款に理事の定数の下限の3分の1以内において、「何人」と確定数を記載すべきです。
定款参考例では、「役員のうち、組合員又は組合員たる法人の役員でない者は、理事については何人、監事については何人を超えることができない。」と記載されています。組合の定款をご確認下さい。
なお、個人事業所、特に商店においては、事業主の高齢化などから子息が既に事業の中核として活躍されているケースも多いのですが、法律上は員外となりますので、注意が必要です。
◆員外監事について
事業協同組合の「監事」の資格は組合員か以外の者かを問わないので、員外から選出することができます。
員外役員を認めない組合にあっては、その旨を記載することが適当です。
定款参考例では、員外役員を認めない組合にあっては、「本組合の役員は、組合員又は組合員たる法人の役員でなければならない。」と記載されています。
|