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▲動物の守護神 動物観音

個々のノウハウで心の癒し

 
組合員自らが組合事業に従事するのが基本の企業組合。それぞれが持つ、生き物の最後を見守るノウハウを出し合い、組合施設の運営にあたっている。
 「動物の森」と名づけられた組合管理の霊園は、動物の菩提寺として、住職による読経をはじめ、園内施設での火葬・納骨・祭祀までを真心を込め執り行う。
 また、希望により、個別霊座・室内霊座を用意。初七日、一周忌、三回忌の法要も執り行える。
 霊園は、静岡市の北西部の全国で有数の清流、藁科川のほとりにあり、市街地から車で十五分程度と交通アクセスもよい。庭園化された一、三八〇m2の敷地に合祀用の墓や聖観音像、二階建ての施設が建つ。




▲10年経てば若木も一人前に

物の充足」から「心の充実」


 
「動物の供養を単なるビジネスとして考えたら難しい。人はこれまで、物質面を満足させることを目的に生きてきたが、物質面で満足すると心の満足を求めるようになってくる」と森理事長は人の心の変化が新たな事業に結びついた経緯を話す。
 組合施設の本堂、火葬場などは、行政機関の診断を受け、高度化資金を利用して建設された。
 静岡市や周辺市町村の同種の施設は、火葬業務だけでその後の供養の場を提供できないものや、施設的にも暗い感じを与えるものが多い。飼い主のペットに対する家族並みの心情を、満足させる総合的なサービス提供を行う施設は少ない。
 施設を開設してほぼ一年。葬儀の依頼件数や当園のメイン施設であるメモリアルホールの利用状況は、ほぼ計画通りに推移している。



施設の充実と心のケア

 施設を利用する世代は、若い世代から熟年世代まで幅広い。「若者を中心に危惧されている生命の軽視や残虐性などといった傾向は、この施設に出入りする幅広い年代の人々からは、まったく感じられない」と組合事業に直接就く組合員が話す。
 「ペットロス(ペットを失って起こる虚脱状態)への対処が最大の課題。そのためにも、施設の管理、スタッフの対応に最大限の注意を払い。生前のペットが天国で安らかな眠りにつけるよう努力することが組合の責務」と、企業組合の特色を生かし、お客様の声を大切にする組合運営を心がけたいと、理事長が語る。


中小企業静岡(2001年 9月号 No.574)