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全国中央会会長の退任にあたり




 私は、この度の全国中央会の総会において、会長職を後継者に託することといたしました。在任期間は七年余に及んだことになります。
 まずもって、静岡県中央会の会員各位およびその関係者に対し、全国会長の期間中には時間的制約などもあり、県内において十分な活動の出来なかったことを大変に心苦しく思うとともに、皆さんの暖かいご支援をいただき、地方の業界人でありながら、全国団体のトップという重責を大過なく務められましたことにつきまして、心からの感謝を申し上げます。
 思えば“失われた十年”といわれるほど経済的にも、政治的にも、誠に厳しい時代にとっぷりとつかった期間でありました。
 その間に政府のとった中小企業施策の柱は「組織よりも個」、すなわちベンチャー指向企業に傾斜した時でもあります。
 私はこうした政府の産業構造政策に対し、業界の実情を踏まえ、中小企業組織の重要性とその効果について強く主張しました。すなわち六五〇万の中小零細企業における“組合”の存在価値を強調し、理解を求めることに尽力し、幸い歴代の中小企業庁長官に組合についての一定の評価を得たことは、誠にありがたいことでありました。
 もうひとつ忘れられないことは、この厳しい財政状況のなかではありましたが、政府の予算措置も獲得し、加えて多くの団体から協賛金も得ることができ、都内の中心地に自前の全国中小企業会館の建設を十三年度内実現にメドを付けることができたことでした。 
 これで全国中央会の会長としての区切りをつけられたところですが、図らずも退任と同日、新たに四七都道府県の地域中小企業政治団体を統括する全国中小企業政治協会の会長の重責を拝命することとなり、今後は、政治的な側面から、税制、金融、そして組織制度などの課題に対し、立場を変えながらも、やはり中小企業の振興・発展に向かって全力をつくしていく心づもりであります。
 どうぞ、変わらぬご支援とご鞭撻賜りますようお願い申し上げて、近況を報告する次第です。

静岡県中小企業団体中央会・会長


中小企業静岡(2001年 6月号 No.571)