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くみあい百景 静岡県保険代理業協同組合






▲情報化への期待を語る菊地専務理事

グループウェアの実現

 組合が設立されたのは平成七年十月と新しい。組合員は県下の保険代理店二六社で構成されている。
 「一人でできないことを組合で実行する」(同)。それが組合設立の動機であると明確である。
 その一人でできないことを実際、組合事業として現在具体化しているのが、組合情報ネットワーク化事業である。
 組合員と外部情報専門家で構成された「ネットワーク委員会」は平成十年、十一年の二年間をかけて、組合・組合員間グループウェア構築、インターネットマーケティングの確立、そしてICカードによる顧客データベース構築を目標にその作業を進めてきた。
 現在は最終段階に入り、ほぼその全貌が見えてきた。今年二月十九日には静岡市のさるホテルで組合員、新規組合加入希望者に対してその成果報告会も開催した。
 会場では、組合員の意見を参考に基本設計を担当した遠藤剛史情報診断士が概念説明を行い、それを受けて具体的にホームページ制作を手がけた大日本印刷の担当者がスクリーンを利用したホームページのデモンストレーションが行われた。
 会場には他県の同業組合関係者も出席したが、異口同音にその成果に目を見張り、他県での普及・啓蒙の必要を口にしたという。
 それもそのはずで同業界の組合でインターネットを利用したこのような試みは初であり、業界では画期的であるのは間違いない。

基本はあくまで人の営業

 インターネット利用者は現在二千万人を超えたといわれる。これまで縁遠いと思われたインターネットも今後は日常的に利用されると予想される。
 現在組合員は全員メールアドレスを持ち日常的にメール交換、ホームページを利用した情報収集が可能となる基本環境は整えた。(全組合員がメールを持ったというのは県下でもめずらしい)
 その一方、インターネットの陥穽も十分承知をしている。
 「インターネットは、あくまで補完的なものです。お客さんとの接点を増やすという意味では確かに効果は大きい。その基盤を確立して、データを活かしマンツーマンの営業につなげていく」のが大事と、あくまで血の通った営業を重視している。

期待される成果

 もちろん組合員全員が情報技術にたけているわけではなく、多少のまごつきもあるのは事実だろう。それは先駆的な試みにはつきものである。
 同業はもちろん組合としてインターネットの効用に着目し、「既存顧客の囲い込み。新規市場の開拓」(同)に乗り出した当組合。
 冒頭の菊地専務の言でないが、確かに「一人では実行不可能なことを組合で取り組む」と言う通り、他組合もそれを注目する成果と実績を上げることを大きく期待したい。


中小企業静岡(2000年 4月号 No.557)