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先人達から受け継ぐチャレンジ精神

 森の腰商店街の前向きな姿勢、まとまりの良さは誰もが認める。
 終戦後当時まで、森の腰地区は、人もまばらで商店に来る客も少なかったという。ならば、「客を増やすため、まず人を増やそう」と森の腰共済会を有志で設立し、そこでやったことは、借家を建てることだったという。家を建て、人を呼び込み、商店の発展につなげようとした。それも半端なお金ではなく、当時のお金で一軒あたり十五万円もかけ、昭和三〇年代までに都合三〇軒余を建設したというから見事である。
 その発想、気力は今のエピ・スクエアに息づいている。




▲商店街の歴史と将来を語る
 勝亦副理事長。

トライアングル運営

 組合運営もユニークである。
 「実は組合は指令塔なんです。対外折衝、行政窓口が組合担当で、実際事業は(株)アクティブモコ、(株)御殿場まちづくりでやっているんです」(同)。その底辺には、組合運営より、会社組織の方が責任が明確になり、収支採算も厳しく採点されるという意味合いがあるようだ。先のシール事業も(株)アクティブモコが全て仕切っていて、組合は一切口を出さない。
 「この方が小回りが利くし、実行力もでる」という。
 組合は現在、エピ・スクエアに次ぐ、大きな計画がある。第二、第三の共同店舗化事業である。候補地はすでにいくつかあるという。
 「商店街近代化事業研究会というのを定例的に開催して高度化、共同化の研究をしている。先日も湖西にある共同店舗の視察にいきましたが、形は違うにしろそんな共同店舗を創り、街の核としたい」という。
 とはいえ、その核店舗は既存の個店と競合する矛盾もあるのではないだろうか、との質問に、「たしかにある。でも、それぞれが競争することが必要です。お客さんに選択の場を多く提供することが第一だと思うし、その競争に負けないように個々が努力するしか道はない」と勝亦さんは言う。
 一度は低下傾向をみせた森の腰商店街。その切り札としての「エピ」はフランス語で麦の穂を意味する。穂が落ち、それが広がり、新たな麦畑が広がるとの願望は商店街全体のそれでもある。
 熱意と実行力はすべての発展の原動力である。森の腰商店街はその点だれにも負けないものがある。これからの発展に期待したい。


中小企業静岡(1999年 6月号 No.547)