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連携組織対策の強化・充実を望む

 先の衆議院選挙は、自民党の歴史的勝利で幕をとじた。解散の経緯といい、マニフェスト、落下傘、刺客などという言葉が飛び交ったことといい、憲政史上ひとつの転換を予感させる出来事ではあった。民意も二大政党化から一変して一党支配を求めるなど、その変わりように驚いたのは私だけではなかろう。「民主主義は最悪の政治体制だ。しかし、これまで試みられたどの体制よりもましだ」というチャーチルの言葉を改めてかみしめた。
 私は、全国中小企業政治協会の会長職を務めていることもあり、今回の選挙でも中小企業問題に理解の深い県内及び全国各地の立候補者をたずね、今こそ中小企業政策の拡充が必要であることを説いてまわった。郵政や年金改革、人口減少問題。これらの大テーマに埋もれることなく、われわれの主張するところは、いつの世も国を支えている中小企業の活力なくして、その時代が背負うテーマの根本的な解決にはなりえないという点だ。そうした施策実現のためにも、民主主義のもとで立法府を構成する議員への訴えが必要である。
 投票日直前の九月七日に行われた中小企業団体静岡県大会では、二十一年ぶりに各政党代表者の出席を要請した。会場は「団結」の鉢巻姿一色に包まれた中、商業者や製造業者、中央会が心からの意見を訴え、自民・民主・公明の各政党代表には具体的な政策について真摯な発言をいただいた。こうした、地方でのアプローチとあわせ、その翌週、札幌市で開かれた第五七回全国大会では、連携組織・組合対策を中小企業政策の中核として位置づけるべきだと、満場一致で決議した。
 自民党のマニフェスト「一二〇の約束」をみると、その一項目に「中小企業支援を強化」と記されているだけだが、加えて協同組織の重要性にも触れるべきである。われわれは自らが行うべき諸事業を積極的に実行していく一方で、これから進められる構造改革が中小企業や組合活動の機会をさらに広げるものとなるよう、ともに手をたずさえ訴えていこうではないか。

静岡県中小企業団体中央会・会長



中小企業静岡(2005年10月号No.623)