特 集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 



特集 〜リーダーが語る高度化事業の魅力〜



「機械化」と
「業容変化への対応」が
団地拡張事業のキーワード




協同組合浜松技術工業団地
理事長株式会社トーキン代表取締役
金森武夫

◇組合プロフィール
  所在地
  浜松市大久保町1347
  組合員数 25社
  出資金  1,250万円
 ◇会社プロフィール
  本社工場
  浜松市大久保町1509
  事業内容 半自動・ロボットアーク溶接トーチ製造・
       溶接ロボット器機設計・製造ほか
  資本金  2,700万円
  従業員数 56人


 来年三月、浜松市の浜松技術工業団地の拡張工事が完了する。総投資額八一億円、うち高度化資金四七億円を活用。既存団地と併せて総面積およそ三七万平方メートルと県内最大の高度化団地となる。
 昭和五九年の組合発足と同時に理事長に就任以来、一貫して異業種団地への夢と可能性を追求し続ける金森武夫理事長に心境を聞く。

資金需要の背景は変化している

―今回の拡張工事は十区画。全てを埋めるのは困難との憶測もありましたが。
金森 全十区画を、伸び盛りの九社で埋めることができた。ここ一、二年の景気回復基調など、タイミングにも恵まれました。浜名湖花博で周辺道路が整備され、県下最大級のイオンが隣町に出店した。それで今、周辺地価が一気に上がっちゃった。安い買い物をしたとみな思っているんじゃないかな。(笑い)
―今回の拡張工事と最初の集団化事業とでは性格が異なると思うのですが?
金森 最初の集団化事業は昭和六十年代前半、各社とも浜松の街中で百坪から五百坪程度の規模で操業していた時期です。企業は成長期にあって仕事もついてきた。でも、駐車場に悩みを抱えていた。増産のために人を雇いたくても駐車場がない。このままでは将来への展望が開けないということで、団地進出を決めた。ほとんどが、そんな事情です。
 対して、今回の拡張工事の特徴といえば、「機械化」と「業容変化への対応」がキーワードといえる。旧団地からの工場を拡張した企業は既存工場のリニューアル組を入れて六社ありますが、ほとんどが最新設備に入れ替え、工場のラインを一新している。しかも、大幅な人員増はしないという点で共通している。機械は、昔は一機一千万円だったのが、今回は一億円を投資した企業もある。償却をするためにも開発力はいやが上にも磨かれるはずです。受注内容も変化していて、例えば従来は鉄板加工だったところが、ステンレスやアルミ加工に変えたりとか、市場のニーズに実に上手く対応しているという印象を受けます。
―二度の高度化事業を踏まえ、改めて高度化資金の魅力

▼完成間近な浜松技術
 工業団地の拡張工事。



とは?
金森 今も昔も、投資の資金的バックボーンは高度化資金に委ねているわけです。
最初の集団化事業では市中金利八%の時代に二・七%でした。しかも、経常資金の調達金利も金融機関との交渉の結果、従来と比べ大幅な引き下げが実現した。やはり、高度化団地に進出した企業という信用力に裏付けられてのもので、企業の成長を大きく後押ししてくれました。金融といえば、商工中金ならではの高度な提案力で、ご支援をいただいていることも忘れてはいけないと思います。



中小企業静岡(2004年11月号No.612)