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組合の力に期待する



 最近、組合活動が沈滞化し、その存在意義を問われているという声もある。
 しかし、私は厳しい時代だからこそ組合の力に期待したい―そんな思いを込め、中小企業組合の機能を再確認しようとシンポジウムを開催した。
 私と旧知の仲であり、組合論の第一人者である明治大学の百瀬教授を招き、実戦的組合論を展開していただくと共に、県内六組合の代表の方に組合活動を紹介していただいた。
 熱血漢でもある百瀬氏は、大企業でさえ無意味な競争を避けて合併や提携という共同化の道を急速に進めているのに、共同化の先駆者である中小企業者がなぜ協同組合の役割を軽視するのか? 厳しい時代だからこそ、セーフティネットとしての組合の役割が期待されるべきだと強調した。
 中小企業運動家を自負する私にとって、まさに我が意を得たりの感があった。
 続いて行われた組合活動事例はいずれも興味を引かれるものであったが、なかでも「価格破壊に挑戦!」と題した酒の小売屋で組織する浜松酒販協組の報告には深い感銘を受けた。
 規制緩和と価格破壊の中で厳しい競争にさらされ、共同仕入れ事業の先行きが不安視される中、果敢に組合の再構築に挑戦したのである。
 組合員の意識高揚のために百瀬氏を招き、「組合員の負担がない組合はダメだ」と“カツ”を入れられ、これまで配当という手段で組合への求心力を高めていた方法から一転して、負担金や手数料を求める方法に大転換したのである。
 与える側から共に考え、工夫しながら組合組織の精神をもって組合を運営していく。まさにこれが協同組合の基本、原点である。右肩下がりの経済状況にあって、組合の本質を見つめ直し、時代に適合した組合事業を構築していく。これこそが、早急に着手しなくてはならない課題であろう。
 今こそ、協同組合組織の活性化に大いに期待する

静岡県中小企業団体中央会・会長


中小企業静岡(2002年 3月号 No.580)