ネットサーフィン 
 富士の叫び 
 フラッシュ 
 特 集 
 INFORMATION 
 ネットワーク 
 展示会情報 
 くみあい百景 
 ワンポイント 
 読者プラザ 
 新設組合紹介 
 編集室だより 






仕事を創る協同組合へ



 いま私共をとりまく環境は、国際的にも国内的にも極めて厳しい状況にある。不況ではなく「普況だ」という認識をもつべきだとする意見にも説得力があり、中小企業者に会えば必ず異口同音に“弱気の嘆き節”が聞かれる。
 だが、しばし待て!いくら泣き言を言っていても景気が良くならないばかりか、かえって心理的に不況を深化させるのが関の山である。
 そんな窮状を打開するために、組合自らが専門の知識と知恵を出し合い、組合として新たな仕事を創造する協同組合が発足したことは、注目に値するものがある。
 その組合は―
 静岡市の中心街に、遊技場や飲食店、その他しもた屋や雑多な商店が混在している地区がある。
そこの地主や借家人が共同ビルをつくり、低層階は関係する地主の持分として、物品売場などの商店やサービス業が入店し、上層階はホテルや事務所に活用する計画である。
 実はこのプランを推進するために、企画プランナー、司法書士、不動産鑑定士、弁護士、会計事務所、さらに建築事務所などのプロフェッショナル同士が組合員となり、がんじがらめに入りくんだ権利義務や建築法上の規制や複雑な相続税対策や資金ぐりなどの税務会計の整合性を一手に引き受け、都市再開発を促進するための協同組合が設立されたのだ。
 このビルは、総投資額二四億円ほどのミニ再開発ではあるが、こうした景況下での新しい街づくりの開発は、組合員やテナントはもとより地域全体の活性化、経済波及効果、都市景観などの寄与も多大であり、良き先進事例となることを期待する。
 いまや自治体の財政難からみても、公の市街地再開発には期待できない。こうした時代に、純民間での良好な再開発が協同組合の手によって実現されることの意義は大きい。

静岡県中小企業団体中央会・会長


中小企業静岡(2002年 2月号 No.579)