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不正保証と組合の役割

 政府の貸し渋り対策の決め手として、従来にない”思い切った政策金融”として打ち出され、多くの中小企業に大きな福音をもたらした特別保証制度で、大掛かりな不祥事が発生し、不正手段で保証の仲介をしたということで、実に二〇人以上の者が逮捕された。
 その手口は、東京都内のコンサルタントが、この制度を悪用し、保証を受けようとする企業の帳簿を改ざんをするなどで、不正の保証(融資)を受けさせていたとして出資法違反で逮捕されたものである。この事件には、国会議員の秘書や都会議員も積極的に口利きに動いていたことも判明している。
 出資法では、手数料率はその上限を融資額の五%(これでも高率だが)と定めているにもかかわらず、なんと最高では二五%というから、融資額の四分の一に当たる暴利を取られた業者もあったという。
 わかっているだけでも、十三社で五、四〇〇万円というから、とんでもない話で、仮に一、〇〇〇万円の保証を受けるのに、二五〇万円にのぼる仲介料をとられていた業者もいたということになる。
 もともと、この特別融資については、不況対策面の政策判断が強いため、こうした不正が入り込む余地があったとはいえ、この制度そのものは画期的なことであり、そこを巧みに悪用されたといえる。
 もちろん悪用にのった業者の非は当然非難されるべきであるが、我々商工団体も反省をし、また残念でならないことは、それほど法外な手数料を支払う前に、商工会議所なり、商工会なり、特に中央会の立場から言えば、組合に所属していたなら、一言組合に相談して欲しかったことである。
 そうした意味でも、今後はこうした事件を契機に組合と組合員の絆を一層強めていかなければならないことを再確認したいものである。

静岡県中小企業団体中央会・会長


中小企業静岡(2000年 12月号 No.565)