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特集

総会に備える!-2-
決算から総会終了まで

いよいよ3月。多くの組合では、年度末決算と総会の準備に1年で最も多忙な時期を迎える。

今月号は、先月号に続き、総会特集第2弾として、総会招集手続きから、総会の運営、さらには終了後の事務手続きまで、昨年4月の改正組合法施行を踏まえ、主に事業協同組合を例に、そのポイントを解説する。

総会の招集から当日の運営まで

総会の招集

通常総会の開催時期は、法では「定款の定めるところにより毎事業年度1回招集しなければならない」(中協法第46条、中団法第5条の23第3項及び第47条第2項)以外には定めがない。したがって通常は、定款で毎事業年度終了後2ヵ月以内に開催することを定めている(※)。

通常総会の招集権者は、代表理事であるが、招集は理事会の議決を経て行わなければならない。理事会の決定を経ずに理事長が独断で招集した総会は、一応有効に成立するが、その総会の議決は取消しの訴えの対象となるため注意が必要だ。

総会の招集は、会日の10日前(これを下回る期間を定めた場合には、その期間)までに会議の目的たる事項(議案)を示し、定款で定めた方法に従い通知する。

この通知は、何らかの事故によってたまたま本人が入手していないとしても、通常到達すべきであったときに到達したものとみなされる発信主義をとっているので、それまでに到達するよう発信していればよい。

招集通知は、従来の書面による手続きに加え、定款に定めることで電磁的方法によって行うこともできる。

前月号でも触れたが、昨年4月の改正組合法施行により、通常総会の招集通知にあたっては、議案を示すことに加え、決算関係書類と事業報告書、監査報告を併せて提供しなければならないこととなったので注意する。

なお、組合員全員の同意がある場合には、総会の招集手続を省略できるが、この場合は法令上、決算関係書類などを組合員に事前に提供する必要はない。

 

※事業年度終了から3ヵ月以内の総会開催も可能

定款変更の手続(総会の議決、行政庁の認可)を経て、定款を変更すれば、事業年度終了の日から3ヵ月以内の通常総会開催も可能だ。税務申告についても、申告期限延長の特例を受け、3ヵ月以内とすることもできる。

法人税法では、事業年度終了の日の翌日から2月以内に、確定申告書を提出しなければならないこととされているが、確定申告書を2月以内に提出することができない常況にあると認められる場合には、申請により、提出期限を原則として1月間延長することができる。

提出期限が延長されると、納付期限も延長されるが、本来の提出期限から、その延長された期限までの間の法人税の未納期間については、利子税が課される。申告実務では、本来の提出期限内に法人税の本税相当額を納付することにより、実質的に利子税の負担を回避することができる。

地方税である法人事業税についても、都道府県に対する同様の手続が必要となる。

なお、消費税については、納付期限の延長の措置は認められていないので注意する。

<表(1) 決算から総会終了後の手続までの流れ(年度末組合事務処理日程表)>(拡大図を見る)