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クローズアップインタビュー

「命の水」を守り、40年
次の10年に向け、新たなスタートきる

沼津市指定給水工事店協同組合
村松敏弘理事長

東洋一の湧水量を誇り、日本3大清流にも挙げられる柿田川。

その良質な水の恵みを受ける沼津市、駿東郡清水町の給水工事業者48社で組織される組合の13代理事長として、設立40年の節目を迎えた。

「諸先輩が築いた礎の上に今の我々がある。この40周年を新たなスタートラインとし、初心に立ち戻って組合を見つめ直したい」と襟を正す。

資材の共同購入と並ぶ組合事業の大きな柱が、給水管や路上、宅内に至るまで行政から委託を受けて実施する漏水修理工事だ。

「水道は、最も重要なライフラインのひとつ。わずかな供給ストップでも生活に大きな支障を来たす。組合では、24時間365日、連絡即対応の万全の体制を組み、“命の水”を供給し続けたい」と“水のプロ”の口調によどみはない。

40年にわたり地道で堅実に積み重ねた実績は、行政からも厚い信頼が寄せられる。

平成18年4月には、沼津市との間に「災害時における応急活動の協力に関する協定」を締結。行政との強い連携で市民生活を守る。

昨年11月、地元沼津で開催された技能五輪国際大会では、組合を挙げ会場設営や運営に貢献し、大会を成功に導いた。競技の配管職種でも日本選手が32年ぶりとなるメダルを獲得した。

「地元で開催された国際大会の運営に携ることに加え、わが国の配管技術を世界にアピールできた有意義なイベントでした」。

一方で、後継者難に危機感を募らせる。昭和50年代に80人近くを数えた組合員が、50人を切った。

「最近、目立つのが後継者難による自主廃業。このままでは、世代交代が立ち行かなくなる」。

業界に入る若手も大きく減り、技術者不足に悩む。

「沼津技術高等専門学校から配管科がなくなったのも痛かった。第一線で活躍する技術者の多くが、専門校出身者。ヒトづくりは一朝一夕にはできない。いま手を打たなければ」と配管科復活を強く訴える。

「先人たちが築いた強固な経営基盤のおかげで安心して組合活動ができる。これを次の世代に渡すのが理事長の使命。50周年に向け、その橋渡し役に徹したい」と早くも、次の10年に目を向ける。

「趣味? 思い浮かぶのは日本酒くらいかな。かなり強いと思うよ」。

自他共に認める“酒豪”だ。

創業100年を超える老舗、株式会社井戸松ポンプ代表取締役。