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ビジネスレポート

「駿河漆器」が地域ブランドの仲間入り

静岡漆器工業協同組合

地域ブランドに認定された “駿河漆器” を前に「新時代の第一歩にしたい」と新井理事長。

静岡漆器工業協同組合(静岡市・新井吉雄理事長)の出願していた「駿河漆器」が8月、特許庁より地域団体商標(地域ブランド)に登録認定された。

昨年4月にスタートした同商標制度は、地域の特産品など地域ブランドを法的に保護し、地域が主体となって進める地場産業や農作物のブランド化を後押しすることが狙い。

県内ではこれまでに、「駿河湾桜えび」、「由比桜えび」、「焼津鰹節」、「静岡茶」、「川根茶」など7件が登録されているが、「駿河漆器」は、農水産物以外では初の登録となった。

約450年前の今川時代に始まったとされる駿河漆器は、江戸時代には全国にその名を知られていた静岡を代表する伝統工芸品。

今回登録認定を受けたのは、静岡市で生産された椀、箸、重箱、花器、盆、万年筆、手鏡など24種の漆器製品で、今後、これら製品に「駿河漆器」の名を使うことができるのは同組合だけとなる。

新井理事長は、

「組合員一体となり組合内に研究会を立ち上げてから、足掛け3年で念願が叶った。資料作りに不慣れな私たち職人集団をサポートし続けてくれた静岡市にも感謝したい」と喜びを表す一方、

「地域ブランド “駿河漆器”に恥じないような高い水準の製品づくりが今まで以上に要求される」と気を引き締めることも忘れない。

若手も着実に育ちつつある。

「若手職人とベテラン職人との間で切磋琢磨する姿が見られるなど、組合内は活気づき始めている。地域ブランド登録を、若い世代に希望を与える駿河漆器新時代の第一歩にしたい」と先を見据える。