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視点・指導員の現場から

情報の波間にて

組織化にむけて

中央会へ最初に訪問される方は、慈善事業や中小企業運動の展開を目指して来るのではなく、経済的利益を求めて来る。

その方法として、集合のメリットを活用した事業の展開を模索する。その集合の仕方が、任意組織でいくか法人格を持たせるかを選択するのが第一段階で次に、ではどの組織にしようかとなる。

もちろん、事業目的の明確化が前提であり、その道具としての組織体が選択される。漠然とした事業計画と組織選択の検討から入ると、話があちこちに飛びわけがわからなくなる。

法人化のメリットは、1)社会的認知の向上 2)任意組織の限界からの脱却 3)事業領域の拡大と継続性である。

それから法人格を持つ組織の中から、事業目的にあわせて、各組織間のメリットとデメリットの比較である。もちろん、規模やメンバーにより当面は任意組織でスタートする方法もある。

最近では、組合を作りたいというストレートな相談よりも、事業をなんとかしたい、こうなるといいなという姿はなんとなく垣間見えるが、そこに行き着く方法やその間の手間隙が皆目見当がつかない、個々では不安があり、集まれば何かができるかもしれない、という思いから来会される方が多い。

国の施策により、今日では様々な組織形態が用意されている。手軽にインターネット等で情報を収集してから来るので、話の中にNPO、LLP 、LLCといった横文字が出てくる。情報収集が手軽となり、各組織のメリットやデメリットの比較表も検索でき、分析もしっかりとできている。

明確なビジョンをしっかりと構築されてから来られる方々も多いが、字面の部分のみにとらわれ、思い込みの組織に固執される方々もいる。

こんなとき、次のようなことをお話しする。

「組織を作るのは簡単です。そのためのツールはすべて用意されています。後は、あなたのやりたいことを明確にして当てはめるだけです。それよりも、あなたの考えていることを詳しく教えてください。その夢を語り合っている仲間がいれば、その輪の仲間に加えてください。入り口で、迷ったり否定的になってあきらめたりしないで、ダメもとでとにかく騒ぎはじめましょう。あの時ああすればよかったとずっと思い続けるより、途中で挫折しても次のチャレンジにつながると思いますよ」と。

団体職員の使命

団体職員は、中小企業のための通訳であり、よき翻訳家でなければならないと思っている。

中小企業振興のために、事業者の声を行政に伝えたり、また行政の支援策を普及したり、事業者間のスムーズな連携のための共通言語を解さなければならない。

さらに、そこに働く従業員の声も理解できなければならない。益々複雑化する支援策の翻訳や日々発せられる真の声の通訳が必要となる。よき翻訳家であり通訳でありたい。

(村田)