改正法は昨年5月12日に成立し、今年の4月1日より施行されました。
ポイントは次の2点。
(1)独占禁止法違反行為の被害者による裁判所に対する差止請求制度を導入
(独占禁止法24条等)。
(2)独占禁止法違反行為に対する無過失損害賠償責任の範囲を拡大(25条)。
とくに差止請求制度の導入は中小企業の経営にかかわりが深いので、概略を補足します。
改正前
違反行為の差し止めを命じられるのは公正取引委員会のみ。
改正後
「不公正な取引方法」によって著しい損害を受け、または受ける恐れがある者は公正取引委員会だけでなく、裁判所に違反行為の差し止めを請求することができます。
従前は、公取委主導のもとで、その審査を待たなければならない状況であったのが、どんな規模の小さい事件であっても、私人による裁判所に対する申立てがあれば、裁判所により独占禁止法違反か否かの判断がなされることとなりました。したがって、改正前には表面化しなかった独占禁止法違反案件が一気に浮上する可能性があり、独占禁止法が積極的に活用される方向に動くことが予想されます。
■裁判所に差止めを求めることができる行為
●共同ボイコット ●不当廉売 ●ぎまん的顧客誘因 ●抱き合わせ販売
●排他条件付き取引 ●再販売価格の拘束 ●拘束条件付き取引
●優越的地位の濫用 ●競争者に対する取引妨害 他
■詳しくは
公正取引委員会のホームページ http://www.jftc.go.jp
公正取引委員会 中部事務所
〒460-0001 名古屋市中区三の丸2-5-1 TEL:052-961-9421
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