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 春野建設事業協同組合
 すみれ色のブロックで自然を守る
〒437-0605
周智郡春野町気田111
TEL:0539-89-0233
FAX:0539-89-0669
理事長 西村正則
組合員  10社



▲間伐材を有効利用するための炭焼き施設


「すみれの里」で新たな取組み

 周智郡犬居村(現春野町)の出身で宝塚劇団の発展に大きく貢献した故白井鉄造氏。
 氏の作詞による「すみれの花咲くころ」は、氏がパリに遊学中に耳にし、大変気に入り帰国後、宝塚大劇場で手がけた「パリゼット」の主題歌として、作詞をし直し、上演したもの。その後、宝塚の団歌のようになり、劇団とは切っても切れない歌になっている。白井氏は、ふるさと春野に咲く「すみれ」を思い浮かべ、この詩を考えたという。
 春野町の人口は、昭和三二年をピークに減少を続けている。最近、減少傾向にやや歯止めがかかりつつあるが、若者の流出により、高齢化が進んでいる。
 こうした春野町で、地元の建設業者により組織された春野建設事業(協)が、自然の環境を守るため、新たな事業に取り組んでいる。





▲春野町役場前に展示される「炭れブロック」

環境にやさしい建材開発

 組合の歴史は古く、昭和四三年、気田川からの砂利採取事業からスタート。以来、生コンプラントの操業、コンクリートブロックの製造と、組合活動を通して地域の開発と発展に大きく貢献してきた。
 しかし、近年の公共事業の削減などによって、組合で扱う事業量は大幅に減少している。組合は、こうした厳しい環境を打開するため、ユニークな製品の研究開発に積極的に取り組んでいる。
 新製品は、いずれも北遠地区の間伐材から作る「炭」を利用したもの。一つは、コンクリートブロックの表面を炭入りの多孔質コンクリートで仕上げたもの。表面を炭入り多孔質コンクリートにすることにより、施工後、微生物が繁殖しやすくなり、水の浄化・植生力が向上する。微生物や植物により有害物の分解が促がされ、自然環境の保護に大きく役立つ。
 さらに、表面の凹凸模様と粉炭の混合により、明度が下がり、自然と調和し、植物の種子が付着することで緑化が促進される。
 ブロックのネーミングもまたユニーク。春野といえば、すみれ。名付けて「炭れブロック」。すでに商標登録も済ませている。また、施工後にわかったことは、このブロックが水に濡れると、すみれ色に変わること。


中小企業静岡(2001年 7月号 No.572)