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特集

ここに着目 組合決算のツボ

財産目録

会社法では、会社の決算書類として財産目録を作成することを要求していない。

しかし、組合法では、決算書類として財産目録が法定されており(中協法第40条)、その作成は省略できない。

財産目録は、全ての資産及び負債の内容を詳細に表示説明したものなので、貸借対照表のように単に科目と金額とを記載するだけでは不十分である。

その様式は、組合会計基準を参考とし、組合の実状に応じて作成すればよいが、作成上次の点に注意する。

  1. 科目は貸借対照表と同一のものを使用し、配列の順序や金額も同一とする。
  2. 単位は円とし、千円単位で記載することは認められない。
  3. 組合の規模に応じて一定金額以上の大口債権、債務については個別に掲記し、その他は「他〇口」として表示する。
  4. 貸倒引当金は、個々の主たる勘定ごとに控除して示すことができる。

財産目録の各科目の内容に付す価額は、財産という以上、貸借対照表上の帳簿価額ではなく、組合員の持分計算の基礎となる「時価」によるべきであるとの意見もある。しかし、現在、作成されている財産目録は、貸借対照表上の帳簿価額を移記し、正味財産額を貸借対照表の自己資本額に一致させることが一般的だ。

ただし、組合会計基準では財産目録の脚注に組合正味財産の価額を表示することになっている。

貸借対照表

貸借対照表は、一定の日時における組合の財政状態を明らかにする資産、負債、純資産の対照表である。

貸借対照表に記載される資産の価額は、原則として当該資産の処分価額ではなく、取得価額である。

貸借対照表の作成にあたっては、企業会計原則に準拠しなければならないが、組合会計における剰余金の配当、持分の計算、加入金、事業別会計等、特殊な会計が必要となるから、注意が必要だ。

また、2年前の中協法規則改正により、貸借対照表の表示等に関する規定が設けられたことから、この規定を踏まえて作成する必要がある(図表2. 貸借対照表様式例参照)。

 

図表2. 貸借対照表様式例(非出資商工組合を除く)

(拡大図を見る)