google

ビジネスレポート

天然食材を活かした新たな食品を開発

静岡県食料産業クラスター協議会

研究や開発の結果を報告する熊澤准教授(左上)、下位教授(右上)、貝沼教授(左下)、青野社長。交流会では地元産食材をふんだんに使った新商品が紹介された。

地域の食品産業と農水産業の連携を通じ、新たな商品やサービスの開発を目指す県食料産業クラスター協議会では、1月26日、静岡市の「静岡市産学交流センター」で産学官交流セミナーを開いた。

同セミナーは、県立大学の「健康」に関する研究成果を県内の食品製造業者らに幅広く知ってもらい、その成果を活用した新たな食品開発を進めようと同大学と共催で行われ、80人近い食品製造業者らが出席。天然食材を利用した新たな食品開発や地域資源活用の可能性を探った。

食品栄養科学部の熊澤茂則准教授は、赤ワインなどに含まれるポリフェノールの成分表のデータベース化に成功した経緯や食品への応用について報告。

大学院生活健康科学研究科の下位香代子教授は、アントシアニンなど、色をもつフラボノイドの疫病予防効果や安全性について、詳細な数値を基に説明した。

米の持つ機能などについて研究を進めている食品栄養科学部の貝沼やす子教授は、その集大成として開発した米ペーストを用いたパンを紹介した。

米を数時間水に浸し、超微粒磨砕機で数回粉砕したペーストを30%使用した食パンは、小麦100%のものと同程度に膨らみ、米の持つ機能性も保持されるという。

同協議会では今後、販路開拓を含む具体的な品化や事業化の支援を検討していくこととしている。

以上の講演に続き、生活習慣病の予防に効果がある低GI食を、県立大との共同研究で開発した(株)アオノミート青野盈瓠社長より、開発経緯やその機能などについて説明した。

セミナー終了後に行われた交流会では、講演で発表された米パンをはじめ、米ペースト入りうどん、駿河湾海洋深層水入り液体肥料、裾野産茶葉100%使用本格焼酎、ふるさと食品コンクール県知事賞の受賞作である荒畑園の国産プーアール茶など、協議会賛助会員企業などが新作や自信作を出品。展示や試食を通じ、参加者に商品を積極的にアピールした。