特 集 
 FLASH 
 専門家の眼 
 「くみあい百景」 
 編集室だより 




組合丸の第二の出発点

 長引くデフレ経済を克服し、ようやくここに景気回復の兆しが見え始めてきたといわれる。しかし、その実態はどうであろうか。経済の回復は依然として輸出依存であって、内需においてはあまり目立った回復の動きがない。
 経済産業省の調査によると、十年前のGDPが五○○兆円、現在のGDPも五○○兆円である。一方、驚くことに、日本企業の海外生産高は十年前の一○○兆円に対し、今、二○○兆円と倍増している。国内生産がものすごい勢いで日本から逃げ出している。
 今更申し上げるまでもないが、コスト競争を基軸にした優勝劣敗、比較優位の物指しで、世界をまたにかけた生産基地の流動化が起きていることになる。私の知る経営者の方々も、海外進出を果した企業は百社を下らない。世の中の変化のスピードとはこういったものである。
 さて一方、組合に目を向ければ、時代の変化に対応するスピードは、企業同様に重要な経営課題の一つとなった。共同購入・販売・加工といった従来の規模の事業に加えて、今日では開発・創業・リサーチ・サービスといったソフト分野を含め、幅広い共同化事業が組合事業として認められている。こうした中、はたして皆様の組合において、共同事業が如何なる変革を成し遂げてきたであろうか。組合員の経営内容が大きく革新していく中、当然、組合の共同事業もそれに対応していかなければならない。とりもなおさずそれは、中央会の組合支援活動は如何にあるべきかということにもつながってくる。
 既存組合は、顧客である組合員に対し顧客満足度の再構築が強く求められており、その実現に向けた支援事業の必要性を痛感している。
 原点に戻って、組合員の経営実態調査に取り組み、共通課題を共に掘り下げる。
 そこに「一歩前」へのアクションプログラムが再構築出来てゆくものと確信する。
 是非、御利用をお願いしたい。
静岡県中小企業団体中央会・会長



中小企業静岡(2004年5月号 No.606)