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 特 集 
 専門家の眼 
 「くみあい百景」 
 編集室だより 



異業種交流会から誕生
救急用の人口呼吸器を共同開発


 県東部の産学官プロジェクトチームがこのほど、救急用のマスク人工呼吸器システムを開発。開発チームは、県東部に医療関連産業が集まっていることに着目した富士市と中央会東部事務所が開いた異業種交流会の中から生まれたもので、ファルマバレー構想(先端健康産業集積構想)を推進する県も注目している。
 開発したマスクは、顔面データをコンピュータ入力して平均化し、顔と接する部分の形を決定。特殊シリコンを使い、自然な形で顔面に圧着できるようにしたほか、呼吸弁にも工夫を加え、新鮮な空気の割合を高めた。マスクと顔面の間から送気が漏れやすいという従来型マスクの欠点を大幅に改善している。
 中心となった東海大開発工学部の金井直明助教授の開発チームのほか、横浜ゴム(東京)がマスク部分を開発し、システムの最終製造は北里サプライ(富士市)が担当するなど、産学官が連携した。
 なお、中央会東部事務所では年に数回、医療関連業者を中心とした異業種交流会を開催しており、このほか、いくつかのプロジェクトが立ち上がっている。



景新たなビジネスチャンスを
関東甲信越静ブロック
技術・市場交流プラザ静岡大会を開催


 「好奇心・冒険心がビジネスチャンスにつながる!」。
 こうしたテーマのもと、十一月十八日、「技術・市場交流プラザ静岡大会」を開催。
会場となった静岡市・ホテルセンチュリーでは、二三〇名以上の中小企業関係者の交流が行われた。
 異業種交流とビジネスチャンス拡大を図り、毎年、関東甲信越静ブロック内で開催されているもので、今回は静岡県からの情報発信となる。
 当日は、(1)基調講演、(2)パネルディスカッション、(3)参加者交流会の三部構成。パネルディスカッションでは、曲面印刷、アルファゲルなどで知られる(株)鈴木総業の中西幹育(もとやす)顧問がコーディネーターとなり、三人のパネラーから研究成果などの事例が紹介された。

▲二四のブースで異業種交流の成果品や企業製品を展示。
名刺交換や技術・開発の
きた情報交換が行われた。



循環型システムが評価
朝霧ヨーグル豚販売(協)に優秀賞


 朝霧ヨーグル豚販売協同組合(富士宮市・組合員五名)は、東京工業大学で開かれた日本計画行政学会の「計画賞」最終審査学会で、優秀賞を受賞した。
 同組合では、食品メーカー、ホテル、百貨店などで発生した食品副産物を独自の発酵技術でヨーグルト状に加工したエサを与えた「朝霧ヨーグル豚」をブランド化。優れた地域おこし計画を策定、実行するとともに、行政主導ではなく、民間の連携で循環型の生産システムを確立したことなどが評価された。

*組合内容については、弊誌平成十五年十一月号「くみあい百景」にて紹介

▲お馴染みとなった 朝霧
ヨーグル豚のポスター


中小企業静岡(2004年1月号 No.602)