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第43回 中小企業団体
静岡県大会
=CONTENTS=
▼OPENING
▼基調講演

▼意見発表1
▼意見発表2
▼大会決議
新たな共生を目ざす組合運営
(協)都田テクノパーク
理事長 坂本道雄氏

意見発表
2

 吉原氏に続いて、組合の代表者という立場から、(協)都田テクノパーク坂本道雄理事長が、組合の活動目標や特徴について解説した。

 私どもの組合は、浜松テクノポリスの開発区の中に、異業種十二社で工場団地をつくり、平成五年二月に完成した。
 この団地には二つの目的があった。
 その第一は、「新しい産業おこしに挑戦するグループづくり」である。
 これまで浜松は、楽器、オートバイが産業を支えてきたが、これからは、巨大な市場を占める商品ではなく、小さな市場の商品を数多く創出するような産業おこしが理想となる。これは、まさに中小企業が主役になり得るということであり、中小企業がグループ化することで更にその可能性は広がっていく。
 二つめは、商品の市場規模が小さくなればなるほど、開発スタッフが多く必要になる。大企業にかわってこうした役割を負っていこうというものである。
 こうした目的を達成するためには、メンバー企業のさまざまな経営資源を有機的に交流させることが必要。当団地は、そのためにいくつかの特徴を有している。
 まず、メンバー十二社中六社は、県外の、しかも浜松にない業種で構成している。浜松の新しい産業おこしに挑戦していく以上、ここに存在しない技術を呼び寄せる必要があったからだ。
 また、メンバーの交流を活発にするために、団地内にフェンスを設けない「連棟方式」を採用したり、電話は各社とも内線式にするなど、ハード面からも交流しやすい環境づくりを心がけている。
 さらに従業員同士の交流も盛んに行えるように、組合会館の食堂で食事をとりながら情報交換ができるようにした。
 組合では「可能な限り経営資源を共有化する」という考えから、食堂、会議室のほか、試験測定機器など、共同でメリットが引き出せるものであれば極力共有している。
 しかし、複合的な商品の開発や企画、販売は組合の機能だけでは無理がある。これに対応するために、共同出資会社ミリアをつくり、総合商社的、情報センター的な機能をもって、十二社の親会社として開発を進めている。
 また情報も共有化しようということで、組合情報ネットワーク化事業に取り組み、一昨年の六月にはLANを設置、データベースの共有化にも取り組んでいる。
 今後は、ミリアブランドの商品を次々に世に送り出し、これが浜松の新しい産業おこしに繋がるよう努力していく。

 


中小企業静岡(1997年11月号 No.528)