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ビジネスレポート

緑茶の魅力を活かした商品開発の可能性を探る

静岡県食料産業クラスター協議会

交流会では緑茶関連商品を扱う6社が新作や自信作を展示した。

静岡県立大の全面的協力を得て行われたセミナー。写真左から薬学部宮城島准教授、(株)荒畑園荒畑社長、食品栄養科学部吹野元准教授、経営情報学部岩准教授。

地域の食品産業と農水産業の連携を通じ、新たな商品やサービスの開発を目指す県食料産業クラスター協議会主催の産学官交流セミナーが、昨年11月20日、静岡市内で開催され、120人を超える茶業関係者や食品製造業者らが出席した。

同セミナーは、静岡県立大学の全面的な協力を得て行われ、静岡を代表する農産物で、用途の拡大が期待される緑茶に着目。マーケティングや栄養学、薬学など多角的に食材活用の可能性を探った。

はじめに、経営情報学部の岩崎邦彦准教授は、マーケティングとは顧客が買いたくなる仕組みづくりであり、買い手の視点に立った発想が重要だとし、「ゆとりやリラックスなど情緒的価値で引き付け、カテキンなどの機能的価値で納得させるのがポイントだ」と説いた。

続いて、食品栄養科学部 吹野洋子元准教授は、生活習慣病予防に果たす緑茶ポリフェノールの効能について、血糖高値者がカテキンを2ヵ月継続して摂取する試験結果を挙げ、糖尿病の進行防止に緑茶が果たす可能性を示唆した。

また、薬学部の宮城島惇夫准教授は、産学官連携の取組み事例として低カフェイン緑茶の錠剤調製に関する研究や同一畑による茶葉の成分分析などその成果を報告。

次いで、低カフェイン粉末茶の開発に成功した牧之原市の(株)荒畑園の荒畑榮社長からその特徴や開発の経緯、製法、商品展開について説明があった。

講演会終了後に行われた交流会では、緑茶関連商品を扱う6社が新作や自信作を出品。展示や試食を通じ、参加者に商品を積極的にアピールする姿が見られた。