特 集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 




 渡辺敬介支店長
 昭和五四年商工中金入庫。
 深川支店を振り出しに東京支店、
 本部支店統括第二部、千葉支店次長、
 名古屋支店次長、甲府支店長、
 本部総合企画部参事役を経て
 七月より現職。


支店長の原点ともいえるのかもしれませんね
渡辺 そうだと思います。ただ、これは、私が特別ということでなはく、経営者のお役に立ちたいという思いは、商工中金の職員共通のものだといえます。
 事実、商工中金には、商業ベースの仕事だけでは満足できずに、中小企業のお手伝いをしたい、お客様に喜んでもらいたい、そんな志をもって入庫してくる職員が実に多いんですよ。

組合と商工中金・ベクトルは一つ

渡辺 私は部下に対して、日頃言ってることは、「自分が経営者のつもりで企業を捉えていこう」ということです。自分だったらどう判断するか。これが、大変興味深いのです。もちろん社長の考えは尊重する。フェイス・トゥ・フェイスで意見を出し合い、最適な選択を導き出す。だから、お客様との間で利害のベクトルが相反するということはあってはならない。お客様のプランを十分に吟味した上で「こうすればさらに会社のプラスになるのでは」と提案できる、そんなパートナーの立場でありたいと考えています。
静岡では、経営革新や創業支援を施策の目玉に据えていますが。
渡辺 もちろん、伸びようという意欲を持った企業に対する支援は当然必要です。ただ、それらのベースにあるのが、日常の安定した金融支援です。企業経営は、いい時があれば悪いときもある。長期的な視点で様々なニーズに柔軟、かつ迅速にお応えするのが第一のスタンスです。
 こうした点を踏まえ、商工中金は十六年度から十八年度の三ヵ年を対象として「基本計画」を策定し、さらに「政策評価」を導入しました。その戦略目標の中核をなすのが「ワンストップ・プラットフォーム」なんですが…(資料を指さす)
ワンストップ・・・?
渡辺 商工中金では、お取引担当者が金融サービスから経営コンサルまで、あらゆるサービスを「ワンストップ」でお届けする窓口になっています。また、政策金融機関では唯一、長・短貸出し、手形割引はもちろん、外国為替や手形・小切手の決済も行うなど、日常の取引を通じて経営者の手腕や思いなど経営実態に接することができます。先ほど触れたように一時的な業況にとらわれず、長期的視点で安定したご支援を心がける。これが「プラットフォーム」です。
 この「ワンストップ・プラットフォーム」としての役割を果たすのが、われわれの特徴であり最大の強みと考えます。
 こうした活動をベースに、経営革新や創業段階の企業に対しても生きた支援ができるよう頑張ってまいります。




中小企業静岡(2004年9月号 No.610)